三角関数

sin6°・cos6°・tan6°の値と求め方|
半角公式で導出をわかりやすく解説

sin6°やcos6°、tan6°の値を正確に求めることはできるのでしょうか?

6°は有名角(30°や45°など)とは異なり、一見すると直接求めるのが難しい角度に見えます。
しかし実は、cos12° の値と半角公式を利用することで、√を用いて正確な値を導出することが可能です。

本記事では

  • 半角公式の復習
  • cos12° の値の復習
  • sin6°、cos6°、tan6° を半角公式を利用して求める
  • 今回求めた sin6°、cos6°、tan6° の値の妥当性の確認

という流れで話を進めていきます。

本記事で求める sin6°、cos6°、tan6° の値

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 6^\circ &=& \sqrt{\frac{4-\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{8}} ≒ 0.156432 \\
\displaystyle \cos 6^\circ &=& \sqrt{\frac{4+\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{8}} ≒ 0.987688 \\
\displaystyle \tan 6^\circ &=& \sqrt{\frac{4-\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4+\sqrt{10+2\sqrt{5}}}} ≒ 0.158381
\end{eqnarray}



■半角公式の復習

まずは三角関数の半角公式についてですが、実はこちらは既に別記事でまとめています。

以下の記事で丁寧に導出・証明しているので、気になる方は是非ご一読ください。

三角関数の半角公式の導出|
sin15°やcos15°の値も求められる

2026/3/8    ,

三角関数には「半角公式」と呼ばれる便利な公式があります。 この公式を利用すると、sin15°やcos15°などの値を求めることも可能になります。 では、この半角公式はどのようにして導出されるのでしょう ...

半角関数の公式(復習)

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin^2\theta &=& \frac{1-\cos2\theta}{2} \\
\displaystyle \cos^2\theta &=& \frac{1+\cos2\theta}{2} \\
\end{eqnarray}


■ cos12° の値の復習

上の半角公式を見てもらったらわかる通り、実は cos12° の値さえわかれば、
後は半角公式に当てはめるだけで sin6°、cos6° の値は求めることができます。

そして、sin6°、cos6° がわかれば tan6° も求めることができます。

それでは cos12° の値についても復習しておきましょう。

実は cos12° の値についても別記事で導出しております。
こちらの導出過程が気になる方は、是非以下の記事をご参照下さい。

sin12°・cos12°・tan12°の値の求め方|
加法定理で厳密値を導出【途中式あり】

2026/3/24    

三角関数の中でも、sin12° の値を正確に求められますか? sin30° や sin45° のような有名角と違い、sin12° は一見すると求めにくい値に見えます。 しかし、加法定理を使うことで「√ ...

cos12° の値(復習)

\begin{eqnarray}
\displaystyle \cos 12^\circ &=& \frac{\sqrt{30+6\sqrt{5}}+\sqrt{5}-1}{8}
\end{eqnarray}


■ sin6°、cos6°、tan6° を求めてみる

いよいよ本番です。

上で確認した半角公式を利用して、sin6°、cos6°、tan6° を求めていきます。

sin6°、cos6°、tan6° の値(3重根号形式)

sin6° の値(3重根号形式)

半角公式より、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin^2 6^\circ &=& \frac{1-\cos 12^\circ}{2} \\
\displaystyle &=& \frac{1-\frac{\sqrt{30+6\sqrt{5}}+\sqrt{5}-1}{8}}{2} \\
\displaystyle &=& \frac{8-\sqrt{30+6\sqrt{5}}-\sqrt{5}+1}{16} \\
\displaystyle &=& \frac{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}{16} \\
\end{eqnarray}

上式より、 sin6° の値は

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 6^\circ &=& \frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \tag{1}
\end{eqnarray}

となる。

おろち
おろち

「あれ?(1)式の右辺の符号は"±"になるから、答えは2つ出てくるんじゃないの?」と
疑問に思った方はいますでしょうか?

結論としては、今回は"+"の1つだけが正答となります。

その理由がよくわからない方は、以下記事で三角関数の基礎についてまとめてますので、是非参照してみて下さい!

三角関数とは?|
基本から定義・性質・使い方まで解説

2026/3/17  

三角関数とは、三角形の辺と角の関係を表す関数であり、\(\sin\theta\), \(\cos\theta\), \(\tan\theta\) のような形で表されます。本記事では、三角関数の基本とな ...


cos6° の値(3重根号形式)

半角公式より、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \cos^2 6^\circ &=& \frac{1+\cos 12^\circ}{2} \\
\displaystyle &=& \frac{1+\frac{\sqrt{30+6\sqrt{5}}+\sqrt{5}-1}{8}}{2} \\
\displaystyle &=& \frac{8+\sqrt{30+6\sqrt{5}}+\sqrt{5}-1}{16} \\
\displaystyle &=& \frac{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}{16} \\
\end{eqnarray}

上式より、 cos6° の値は

\begin{eqnarray}
\displaystyle \cos 6^\circ &=& \frac{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \tag{2}
\end{eqnarray}

となる。


tan6° の値(3重根号形式)

上で求めた(1)式、(2)式を利用して求める。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \tan 6^\circ &=& \frac{\sin 6^\circ}{\cos 6^\circ} \\
\displaystyle &=& \frac{\frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4}}{\frac{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4}} \\
\displaystyle &=& \frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}
\end{eqnarray}

上式より、 tan6° の値は

\begin{eqnarray}
\displaystyle \tan 6^\circ &=& \sqrt{\frac{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}} \tag{3}
\end{eqnarray}

となる。


■sin6°、cos6°、tan6° の値の正当性の確認

半角公式を利用することで、sin6°、cos6°、tan6° の値は以下の通り求めることができました。

sin6°、cos6°、tan6° の値

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 6^\circ &=& \frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \tag{1} \\
\displaystyle \cos 6^\circ &=& \frac{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \tag{2} \\
\displaystyle \tan 6^\circ &=& \sqrt{\frac{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}} \tag{3}
\end{eqnarray}

ただ、これらの値って、本当に合っているのでしょうか?

それを確認するため、以下の値を(1)式~(3)式に当てはめてみて、最終的に他サイトの三角関数表を参照して、上式の正当性の確認を行ってみましょう。

おろち
おろち

筆者が電卓を用いて計算した結果を以下に記載していきます。

計算結果の小数第6位までを利用して計算していくこととします。

sin6°、cos6°、tan6° の値(小数形式)

sin6° の値(小数形式)

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 6^\circ &=& \frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \\
&≒& \frac{\sqrt{9-2.236067-\sqrt{30+6 \times 2.236067}}}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{6.763933-\sqrt{43.416402}}}{4} \\
&≒& \frac{\sqrt{6.763933-6.589112}}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{0.174821}}{4} \\
&≒& \frac{0.418116}{4} \\
&=& 0.104529 \tag{4}
\end{eqnarray}

cos6° の値(小数形式)

\begin{eqnarray}
\displaystyle \cos 6^\circ &=& \frac{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4} \\
&≒& \frac{\sqrt{7+2.236067+\sqrt{30+6 \times 2.236067}}}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{9.236067+\sqrt{43.416402}}}{4} \\
&≒& \frac{\sqrt{9.236067+6.589112}}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{15.825179}}{4} \\
&≒& \frac{3.978087}{4} \\
&≒& 0.994521 \tag{5}
\end{eqnarray}

tan6° の値(小数形式)

\begin{eqnarray}
\displaystyle \tan 6^\circ &=& \sqrt{\frac{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}} \\
\displaystyle &≒& \sqrt{\frac{9-2.236067-\sqrt{30+6 \times 2.236067}}{7+2.236067+\sqrt{30+6 \times 2.236067}}} \\
\displaystyle &=& \sqrt{\frac{6.763933-\sqrt{43.416402}}{9.236067+\sqrt{43.416402}}} \\
\displaystyle &≒& \sqrt{\frac{6.763933-6.589112}{9.236067+6.589112}} \\
\displaystyle &=& \sqrt{\frac{0.174821}{15.825179}} \\
\displaystyle &≒& \sqrt{0.011047} \\
\displaystyle &≒& 0.105104 \tag{6}
\end{eqnarray}


国立大学が公表している三角関数表の値との比較

千葉大学理学部数学・情報物理学科の公式HPに載っている三角関数表を参考に、
上で求めた(4)式~(6)式の値が一致しているか、確認していきます。

引用元情報

三角関数表(千葉大学理学部数学・情報物理学科)
https://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~yasuda/sysKOU/cit-H20/trig-table.pdf

上記サイト内では、sin6°、cos6°、tan6° の値はそれぞれ以下の通り記載されています。

千葉大学が公表している sin6°、cos6°、tan6° の値

\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 6^\circ &=& 0.1045 \\
\displaystyle \cos 6^\circ &=& 0.9945 \\
\displaystyle \tan 6^\circ &=& 0.1051
\end{eqnarray}

(4)式~(6)式の値と比較してみると、ほぼほぼ一致した結果となっていることがわかります。



■まとめ

今回は、sin6°・cos6°・tan6°の値について解説しました。

6°は一見すると扱いにくい角度ですが、
12°の半分と考えることで、半角公式を使って導出できます。

ポイントは以下の通りです。

  • 6°は12°の半分として捉える
  • 半角公式を利用する
  • 既知の角(12°)の値を活用する

このように三角関数では、「角度を分解して考えること」が非常に重要です。

他の角度(12°や18°、15°など)についても、同様の考え方で導出できるため、ぜひあわせて確認してみてください。


■関連記事まとめ

-三角関数
-