雑談

【社内SEは本当に勝ち組?】
社内SEが語る仕事内容と実際

本記事では、筆者が社内SEに就職し3年間業務をした実体験を踏まえ、社内SEの「仕事内容」と「実際ラクなの?」についてまとめました。
現在社内SEへの就職を検討している方は是非本記事を参照いただき、決断の参考としていただけますと幸いです!

おろち
おろち

筆者自身は前職では「大手SIer」に就職していましたが、そこではメンタルをズタボロにされてしまったため、緊急避難的に「大手広告企業の社内SE」に転職を決断しました。

■筆者が社内SEに転職した理由

そもそも私が社内SEに転職を決断した理由ですが、前職のあまりの多忙さから安らぎを求めていた私としては、できるだけ定時で毎日上がりたい、という思い(願望)がありました。

おろち
おろち

前職の辛かった経験については、機会があれば別記事にまとめさせていただきます。。。

ただ、給料はそれなりに欲しいというような思いもあったので、それらの要望を自分の中で整理してまとめ、ググって調べていたところ、「社内SE」は給料もそれなりに貰え、かつ平均残業時間も少ない、という評判を数多く見つけたため、それを信用し、社内SEへの転職を決めました。


■社内SEの仕事内容

私が入社した会社の社内SE部門は、以下の担当部署が存在していました。

  • 社員からの問い合わせ対応部署
  • 社内システム管理部署
  • ネットワーク担当部署
  • 社内サーバ担当部署
  • 自動化ツール作成部署
  • セキュリティ担当部署
  • etc....

私は上記部署の中の「ネットワーク担当部署」に配属になりました。(前職で多少経験があったため)
配属後は特に私は部署異動などはなく、約3年間同じ部署で業務をしてきました。
その中で経験した業務、、、というかうちの課が担当している業務は、ざっくり以下のような業務です。

おろち
おろち

前提として、社内SEは基本的には「その会社全体のITシステム運用を担う部隊」です。
顧客からお金を稼ぐ部隊は別に存在しており、その部隊をシステム面で諸々バックアップするのが社内SEの基本的な役割であり、業務内容と言えます。

筆者が社内SEとして経験した業務内容

  1. 機器更改業務
  2. システムの脆弱性対応
  3. ネットワーク関連の問い合わせ対応
  4. 申請対応

1つ1つ、もう少し詳細に説明していきます。

1. 機器更改業務

どの会社でも、ネットワークやサーバなどの社内インフラを用意しています。
最近はクラウドが主流となってきていますが、データセンター等を利用してオンプレミスでサーバやネットワーク機器を用意し、運用している企業もまだ数多く存在します。
オンプレミスの機器の場合、EoL(End of Life)というものが存在します。これは簡単に言うと、機器の寿命です。
これを過ぎると、一応継続してその機器を使用すること自体はできますが、メーカやベンダからのサポートを受けることができなくなるため、例えば機器の故障などがあった場合、手の打ちようがなくなります。
そのため、ほとんどの企業ではこのEoLが来る前に新機器への更改を行います。

ここまでの説明を聞くと、「なんだ、単純に更改するだけなら楽そうじゃん」と思う方もいらっしゃると思いますが、それは大きな誤りです。
機器の更改は大体3~7年おきに一回程度のペースで行う必要があるのですが、進歩が速いITの世界、それだけの月日が経てば、新機能を搭載した、より便利な機器が数多く存在します。それらの機器の評価を行い、うちの会社に適しているか、また、費用対効果の面でどうか等、社内の上位層に説明・相談・プレゼンを行い、更改先機器を決定するのが一般的です。
一度機器の更改を行うと、約3~7年程度はその機器を使い続けることになるため、導入機器はとても慎重に検討されます。
そのため、更改する機器の重要性(どれだけ主要なシステムか)にもよりますが、機器によってはEoLの1年ほど前から、機器更改の検討を始める場合もあります。

おろち
おろち

社内SEの、インフラ系の部署の業務の大半を占める業務がこの更改業務となります。


2. システムの脆弱性対応

システムを運用していると、メーカからしばしば、脆弱性に関する情報を受け取ります。
この脆弱性の重要性はその時その時で異なりますが、重大な脆弱性であった場合、脆弱性情報を受け取ったその日のうちにすぐに対応しなければいけないものもあったりします。

おろち
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有名なところでいうと、「log4j」などが該当します。

さすがに「log4j」クラスの脆弱性は頻繁には発覚しませんが、早めに対応が必要な脆弱性情報はしばしばメーカから受け取ります。
それを受け取り次第、弊社では弊社の[セキュリティ担当部署]で重大性について改めて審査され、対応期日や対応方針を定めた上で、各システム担当部署がその対応を行います。

対応方法として最もポピュラーなのが、「システムのバージョンアップ」や「システムへのパッチ適用」です。
これらを実施するにしても、ほとんどの場合はバージョンアップ中、もしくはバッチ適用中はサービスが停止してしまうため、他の従業員が業務をしていない土曜の夜中等に実施する必要があるケースもあります。

3. ネットワーク関連の問い合わせ対応

こちらは特に補足説明はする必要はないでしょう。
従業員からの問い合わせのうち、「社内システムにアクセスできなくなった」や「急にWi-Fiに接続できなくなった」等の問い合わせがあった場合は、基本的には[社内からの問い合わせ対応部署]が対応しますが、そこの部署で対応が困難で、かつネットワーク観点でのトラブルが疑われるケースの場合には、我々ネットワーク部隊が対応します。

4. 申請対応

社内システムの中では、一部権限を付与したユーザしかアクセスを許可していないシステムが存在します。
そのシステムに新規にアクセスしたいユーザがいた場合、申請していただき、然るべき部署で承認を得た場合、その権限付与作業を我々ネットワーク部隊で行います。

おろち
おろち

上で挙げた4種の業務内容は、社内SEの一般的を思われる業務となります。
ここに、その企業のシステム構成や運用方針次第で、特有の業務が追加となることはご留意ください。



■結局、社内SEって本当にラクなの??

お待たせいたしました。いよいよ本題に入ります。

「社内SEが本当にラクかどうか」という問いに対して、筆者の回答を述べますと、【ラクと思わない方がいい】です。

まあそもそもの前提の話なのですが、ラクな仕事など存在しません。
ラクの定義は人それぞれかと思いますが、結局基準次第だと思います。

おろち
おろち

「年収数千万のバリバリの商社で正社員として働いた経験がある人」と、「アルバイト経験しかない人」では、仕事に対する厳しさや感じ方の基準が異なると思うので、一概に「ラク」というものの定義は難しいです。

※筆者個人としては、前職の職場環境が非常に厳しいものであったため、【前職よりかはラク】というのが正直な感想です。

例えば、弊社の別部署の社内SEのマネージャーの方なんかはメチャクチャ残業しており、残業時間の上限(80h/月)を超えかけているという話も聞きます。そのため、転職時代の私のように「残業時間も少なそうだし収入もよさそうだから、社内SE良さそうだな」みたいな感じで転職先を決断してしまうのは危険です!

おろち
おろち

私も機器更改業務が忙しかった時は、月50h程度残業が続いた時期もありました。。。

もちろん、私が入った会社がたまたまそういう風潮の会社なだけであって、もっと高給でかつ残業が少ない会社もあるやもしれません。
ただ、そういった企業を狙っていると、いざ入ったときに「あれ?思ったよりキツイな、、、」というギャップにやられてしまう可能性があるため、ラクそうだから社内SEという選び方はやめといた方がいいでしょう。


■まとめ【~就職先の選択基準~】

いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでいただいた中で、「期待していた回答を得られなかったよ!」という感想をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
その方には申し訳ございません。

ただ、私もそうだったのですが、「ラクそう」という理由で社内SEを選んでしまうと、いざそこに配属して任された業務が自分のやりたいことに合っていなかった場合、少々辛い思いをすることになります。

なので、これから就職/転職を検討されている皆さんは、「ラクそう」という基準ではなく、「やりたいこと/やってみたいこと」という基準で仕事を探してみることをお勧めします!
仮にその仕事が残業が多くて、かつ給料がそんなに高くなかったとしても、自分の興味があることとマッチした業務であれば、仕事に対する姿勢やモチベーションも向上するため、ゆくゆくは仕事に慣れて業務を早く片付けることができ、かつ出世も早く給料も上がる、といったことも考えられます。

おろち
おろち

自分の人生の時間の大半を費やすことになる仕事ですから、やりたくないこと(自分が全く興味がないこと)をひたすらやるのが辛く苦しいのは当たり前です!

この記事を読んでいただき、参考となった方が多くいらっしゃればとても嬉しく思います。
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました!

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