「整数」や「自然数」は、中学・高校数学で当たり前のように登場する言葉です。
しかし、
「整数と自然数って何が違うの?」
「0は整数に含まれる?」
「0は自然数なの?」
「自然数と正の整数は同じ?」
と聞かれると、意外と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
特に注意したいのが「0は自然数に含まれるのか」という問題です。
実は、自然数に0を含めるかどうかは、数学の分野や採用する定義によって異なります。
本記事では、整数と自然数の定義や違い、0の扱いについて具体例を使いながらわかりやすく解説します。
さらに、有理数・無理数・実数との関係についても整理していきます。
1. 整数と自然数の違いをまず簡単に確認
まずは結論から確認しましょう。
整数と自然数の違いを簡単にまとめると、次のようになります。
| 数の種類 | 具体例 | 負の数 | 0 | 正の整数 |
|---|---|---|---|---|
| 整数 | -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3 | ○ | ○ | ○ |
| 自然数 | 1, 2, 3, 4 | × | 定義による | ○ |
整数とは、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \cdots, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
のような、負の整数・0・正の整数をすべて合わせた数です。
一方、自然数とは、ものの個数などを数えるときに使われる
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, 4, 5, \cdots
\end{eqnarray}
のような数です。
ただし、自然数については
\begin{eqnarray}
\displaystyle 0, 1, 2, 3, 4, 5, \cdots
\end{eqnarray}
のように、0を自然数に含める定義もあります。
そのため、
「0は整数ですか?」
という質問には、
「はい。0は整数です」
と答えることができますが、
「0は自然数ですか?」
については、
「自然数の定義によって異なります」
というのが正確な答えになります。
筆者は「0 は自然数に含まれない」派です!
それでは、整数と自然数についてもう少し詳しく見ていきましょう。
2. 整数とは?
整数とは、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\cdots, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, \cdots}
\end{eqnarray}
のような数のことです。
整数は、大きく分けると次の3種類から構成されています。
- 正の整数:1, 2, 3, 4, ・・・
- 0
- 負の整数:-1, -2, -3, -4, ・・・
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle -10, \quad -3, \quad 0, \quad 2, \quad 100
\end{eqnarray}
はすべて整数です。
一方、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{1}{2}, \quad 0.5, \quad \sqrt{2}, \quad \pi
\end{eqnarray}
などは整数ではありません。
3. \(0\) は整数?
0 は整数に含まれます。
整数を数直線上に並べると、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \cdots, -3, -2, -1, \color{red}{0}, 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
となります。
したがって、0 は整数です。
0 は整数ですが、正の整数でも負の整数でもありません。
つまり、
- 1, 2, 3, ・・・ → 正の整数
- -1, -2, -3, ・・・ → 負の整数
- 0 → 正でも負でもない整数
という関係になります。
4. 自然数とは?
自然数とは、簡単にいうとものの個数などを数えるときに使われる数です。
例えば、りんごの個数を
「1個、2個、3個、4個……」
と数えるときに使われる
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{1, 2, 3, 4, 5, \cdots}
\end{eqnarray}
のような数が自然数です。
学校数学では、このように
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, 4, 5, \cdots
\end{eqnarray}
を自然数として扱うことがあります。
この定義では、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\text{自然数}=\text{正の整数}}
\end{eqnarray}
となります。
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。
自然数に0を含めるかどうかは、採用する定義によって異なります。
自然数を
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, 4, 5, \cdots
\end{eqnarray}
と定義する場合もあれば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{0}, 1, 2, 3, 4, \cdots
\end{eqnarray}
と定義する場合もあります。
したがって、問題を解くときには、その問題や教科書で自然数がどのように定義されているのかを確認することが重要です。
高校数学では、自然数を 1, 2, 3, ...... として扱うことが多いです!
5. \(0\) は自然数?
一方、
0を自然数に含めるかどうかは定義によって異なります。
自然数を
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
と定義する場合、0は自然数ではありません。
一方、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 0, 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
と定義する場合、0も自然数に含まれます。
そのため、
「0は自然数である」
あるいは
「0は自然数ではない」
と無条件に覚えてしまうのではなく、
自然数に0を含めるかどうかは定義によって異なる
と理解しておくのがおすすめです。
6. 整数と自然数の違い
整数と自然数の違いをもう少し詳しく見てみましょう。
整数は、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \cdots, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
です。
一方、自然数を0を含めないものとして定義すると、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, \cdots
\end{eqnarray}
となります。
この場合、自然数はすべて整数に含まれています。
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 3
\end{eqnarray}
は自然数であり、整数でもあります。
一方、
\begin{eqnarray}
\displaystyle -3
\end{eqnarray}
は整数ですが、自然数ではありません。
また、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 0
\end{eqnarray}
は必ず整数ですが、自然数に含まれるかどうかは定義によって異なります。
つまり、
自然数は整数の一部である
と考えると、整数と自然数の関係を理解しやすくなります。
7. 自然数と「正の整数」「正の数」の違い
自然数と似た言葉に、
「正の整数」
や
「正の数」
があります。
これらは似ていますが、意味が異なるので注意しましょう。
自然数と正の整数
正の整数とは、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, 4, \cdots
\end{eqnarray}
のような、0より大きい整数です。
そのため、自然数を
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, 2, 3, 4, \cdots
\end{eqnarray}
のように 0 を含めない方の定義として考えた場合、
自然数 = 正の整数
となります。
「正の整数」と「正の数」は違う
「正の整数」と「正の数」も同じ意味ではありません。
正の数とは、簡単にいうと0より大きい数です。
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 1, \quad 5, \quad \frac{1}{2}, \quad 0.1, \quad \sqrt{2}
\end{eqnarray}
はいずれも正の数です。
しかし、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{1}{2}, \quad 0.1, \quad \sqrt{2}
\end{eqnarray}
は整数ではありません。
したがって、
正の整数は正の数に含まれますが、正の数がすべて整数というわけではありません。
この違いにも注意しましょう。
8. 整数・自然数・有理数・無理数・実数の関係
ここまで整数と自然数について説明してきました。
では、整数や自然数は、数全体の中ではどのような位置にあるのでしょうか。
ここで、数の分類を図で確認してみましょう。

中学校や高校で扱う数の多くは、実数と呼ばれる数に含まれています。
実数は大きく、
- 有理数
- 無理数
に分類することができます。
さらに有理数の中には整数が含まれ、整数の中には自然数が含まれます。
自然数を \(1, 2, 3, \cdots\) と定義する場合、数の集合の関係は大まかに
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\text{自然数} \subset \text{整数} \subset \text{有理数} \subset \text{実数}}
\end{eqnarray}
と表すことができます。
一方
\begin{eqnarray}
\displaystyle \sqrt{2}, \quad \sqrt{3}, \quad \pi
\end{eqnarray}
などは分数で表すことのできない無理数です。
このように考えると、自然数や整数は、より大きな「実数」というグループの中に含まれていることが分かります。
9. 有理数・無理数とは?
整数と自然数の位置関係を理解するために、有理数と無理数についても簡単に確認しておきましょう。
有理数とは?
有理数とは、整数 \(a, b\) を用いて、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\frac{a}{b} \quad (b \neq 0)}
\end{eqnarray}
と表すことのできる数です。
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{1}{2}, \quad 5, \quad -0.75
\end{eqnarray}
などは有理数です。
整数の 5 も、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 5=\frac{5}{1}
\end{eqnarray}
と表せるため、有理数に含まれます。
また、小数の -0.75 も、
\begin{eqnarray}
\displaystyle -0.75=-\frac{3}{4}
\end{eqnarray}
と表せるため、有理数に含まれます。
同じように 0 も、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 0=\frac{0}{1}
\end{eqnarray}
と表すことができます。
したがって、
0は有理数です。
無理数とは?
無理数とは、整数 \(a, b\) を使った
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{a}{b}
\end{eqnarray}
という形で表すことのできない実数です。
代表的なものとして、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \sqrt{2}, \quad \sqrt{3}, \quad \pi
\end{eqnarray}
などがあります。
0 は
\begin{eqnarray}
\displaystyle 0=\frac{0}{1}
\end{eqnarray}
と表せる有理数なので、
0 は無理数ではありません。
10. 整数と自然数の違いが重要になる例
整数と自然数の違いは、数学の問題を解くときにも重要になります。
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle x^2-2x=0
\end{eqnarray}
という方程式を考えてみましょう。
左辺を因数分解すると、
\begin{eqnarray}
\displaystyle x(x-2)=0
\end{eqnarray}
となるので、
\begin{eqnarray}
\displaystyle x=0, \quad 2
\end{eqnarray}
が解になります。
ここで、
\(x\) は整数である
という条件なら、
\begin{eqnarray}
\displaystyle x=0, \quad 2
\end{eqnarray}
はどちらも条件を満たしますので、どちらも解となります。
一方、ここでは自然数を 1, 2, 3, ...... と定義することにします。
このとき、
\(x\) は自然数である
という条件が付いている場合、0 は条件を満たしません。
したがって、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{x=2}
\end{eqnarray}
のみが解となります。
このように、整数・自然数といった数の範囲を正しく理解していないと、方程式そのものは解けても、最後の答えを間違えてしまうことがあります。
問題文に「整数」「自然数」などの条件が書かれている場合は、必ず確認するようにしましょう。
まとめ
本記事では、整数と自然数の定義や違い、0 の扱いについて解説しました。
重要なポイントをまとめると、次のようになります。
- 整数は、負の整数・0・正の整数を合わせた数
- 0 は整数に含まれる
- 自然数は 1, 2, 3... のような数だが、0 を含める定義もある
- 自然数に 0 を含めない場合、自然数と正の整数は一致する
- 「正の整数」と「正の数」は同じ意味ではない
- 自然数は整数に含まれ、整数は有理数に含まれる
- 0は有理数であり、無理数ではない
特に重要なのが、
0 は整数
である一方、
0 を自然数に含めるかどうかは定義によって異なる
という点です。
整数や自然数は数学の基本となる考え方ですが、方程式や整数問題など、さまざまな場面で登場します。
単に名前を覚えるだけでなく、「どの数がどのグループに含まれているのか」を意識して理解しておきましょう。