数学基礎

二重根号の外し方をわかりやすく解説|
なぜ外せる?条件や公式も紹介

「二重根号ってどうやって外すの?」

「足して○、掛けて○になる数を探すって習ったけど、なぜそれでいいの?」

高校数学では、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

のように、根号の中にさらに根号がある式が登場します。

このような式を二重根号といいます。

例えば、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

は、\[ \sqrt3+\sqrt2 \]

と簡単にすることができます。

しかし、単に「足して5、掛けて6になる数を探す」と覚えてしまうと、少し形が変わっただけで迷ってしまうことがあります。

この記事では、

  • 二重根号とは何か
  • 二重根号の基本的な外し方
  • なぜ「和と積」を考えるのか
  • マイナスの場合の注意点
  • \(2\sqrt{ab}\) の形になっていない場合
  • 分数を利用して二重根号を外す方法
  • 二重根号を外せる条件

について、途中式を省略せずに解説します。

1. 二重根号とは?

まずは「二重根号」がどのようなものなのか確認しましょう。

例えば、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

を見てみると、外側に大きな平方根があり、その中にも\[ \sqrt6 \]

という平方根があります。

このように、根号の中にさらに根号が含まれている式を二重根号といいます。

ほかにも、\[ \sqrt{7+4\sqrt3} \]

や、\[ \sqrt{3-2\sqrt2} \]

などがあります。

二重根号は、条件を満たしていれば\[ \sqrt a+\sqrt b \]

や\[ \sqrt a-\sqrt b \]

のような、より簡単な形に直すことができます。

この操作を二重根号を外すといいます。

では、実際に二重根号を外してみましょう。


2. 二重根号の基本的な外し方

次の二重根号を考えます。\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

この二重根号を外すには、

和が5、積が6になる2つの正の数

を探します。

今回は、\[ 2+3=5 \]\[ 2\times3=6 \]

なので、2と3を使います。

すると、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} = \sqrt3+\sqrt2 \]

となります。

答え \[ \boxed{\sqrt{5+2\sqrt6}=\sqrt3+\sqrt2} \]

でも、ここで疑問が残ります。

どうして「足して5、掛けて6になる数」を探せばいいの?

ここが二重根号を理解するうえで最も重要なところです。


3. なぜ「和と積」を考えると二重根号を外せるの?

先ほど、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} = \sqrt3+\sqrt2 \]

としました。

なぜこの変形ができるのか、右辺から逆に考えてみましょう。

まず、\[ \sqrt3+\sqrt2 \]

を2乗します。\[ (\sqrt3+\sqrt2)^2 \]

2乗の展開公式\[ (a+b)^2=a^2+2ab+b^2 \]

を使うと、\[ (\sqrt3+\sqrt2)^2 = (\sqrt3)^2 +2\sqrt3 \cdot \sqrt2 +(\sqrt2)^2 \]

となります。

それぞれ計算すると、\[ (\sqrt3)^2=3 \]\[ (\sqrt2)^2=2 \]

さらに、\[ \sqrt3\sqrt2=\sqrt6 \]

なので、\[ (\sqrt3+\sqrt2)^2 = 3+2\sqrt6+2 \]\[ =5+2\sqrt6 \]

となります。

つまり、\[ 5+2\sqrt6 = (\sqrt3+\sqrt2)^2 \]

だったわけです。

したがって、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} = \sqrt{(\sqrt3+\sqrt2)^2} \]

となります。

ここで、\[ \sqrt3+\sqrt2>0 \]

なので、\[ \sqrt{(\sqrt3+\sqrt2)^2} = \sqrt3+\sqrt2 \]

となります。

よって、\[ \boxed{ \sqrt{5+2\sqrt6} = \sqrt3+\sqrt2 } \]

と二重根号を外すことができます。

つまり、「和が5、積が6になる数を探す」という方法は、単なるテクニックではありません。

2乗の展開公式を逆向きに利用しているのです。


4. 二重根号を外す公式

先ほどの考え方を一般化してみましょう。

\(a,b\geq0\) とすると、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 \]

は、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 = a+2\sqrt{ab}+b \]

したがって、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 = a+b+2\sqrt{ab} \]

となります。

よって、\[ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} = \sqrt{(\sqrt a+\sqrt b)^2} \]

です。

\(\sqrt a+\sqrt b\geq0\) なので、\[ \boxed{ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} = \sqrt a+\sqrt b } \]

となります。

二重根号を外す基本公式 \[ \boxed{ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} = \sqrt a+\sqrt b } \]

だから、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

の場合には、\[ a+b=5 \]\[ ab=6 \]

となる \(a,b\) を探せばよかったわけです。


5. マイナスの場合はどうする?

次は、\[ \sqrt{5-2\sqrt6} \]

を考えてみましょう。

先ほどと同じように、\[ 2+3=5 \]\[ 2\times3=6 \]

なので、2と3を使います。

今度は真ん中がマイナスなので、\[ (\sqrt3-\sqrt2)^2 \]

を計算します。\[ (\sqrt3-\sqrt2)^2 = 3-2\sqrt6+2 \]\[ = 5-2\sqrt6 \]

となります。

したがって、\[ 5-2\sqrt6 = (\sqrt3-\sqrt2)^2 \]

です。

よって、\[ \sqrt{5-2\sqrt6} = \sqrt{(\sqrt3-\sqrt2)^2} \]

ここで、\[ \sqrt3>\sqrt2 \]

なので、\[ \sqrt3-\sqrt2>0 \]

です。

したがって、\[ \boxed{ \sqrt{5-2\sqrt6} = \sqrt3-\sqrt2 } \]

となります。


6. マイナスの場合は絶対値に注意

ここは、二重根号で特に間違えやすいポイントです。

一般に、\[ \sqrt{x^2}=x \]

とは限りません。

正しくは、\[ \boxed{\sqrt{x^2}=|x|} \]

です。

そのため、\[ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}} \]

についても、\[ a+b-2\sqrt{ab} = (\sqrt a-\sqrt b)^2 \]

だからといって、必ず\[ \sqrt a-\sqrt b \]

になるわけではありません。

正しくは、\[ \boxed{ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}} = |\sqrt a-\sqrt b| } \]

です。

例えば、\[ \sqrt{5-2\sqrt6} \]

では、\[ \sqrt3-\sqrt2>0 \]

なので、\[ |\sqrt3-\sqrt2| = \sqrt3-\sqrt2 \]

となります。

マイナスの場合は注意!\[ \sqrt{x^2}=|x| \] なので、符号を確認してから絶対値を外しましょう。


7. 「2」が見えない二重根号の外し方

ここまで、\[ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} \]

という形を扱ってきました。

しかし、問題によっては、\[ \sqrt{7+4\sqrt3} \]

のように、一見すると \(2\sqrt{ab}\) の形になっていない場合があります。

この場合、\[ 4\sqrt3 \]

を、\[ 2\sqrt{12} \]

と考えます。

なぜなら、\[ 2\sqrt{12} = 2\sqrt{4\times3} = 4\sqrt3 \]

だからです。

すると、\[ \sqrt{7+4\sqrt3} = \sqrt{7+2\sqrt{12}} \]

となります。

ここで、\[ a+b=7 \]\[ ab=12 \]

となる \(a,b\) を探します。

4と3なら、\[ 4+3=7 \]\[ 4\times3=12 \]

なので、\[ \sqrt{7+2\sqrt{12}} = \sqrt4+\sqrt3 \]

したがって、\[ \boxed{ \sqrt{7+4\sqrt3} = 2+\sqrt3 } \]

となります。

おろち
おろち

根号の前に2以外の数字があっても、\(2\sqrt{ab}\) の形を作れないか考えてみましょう!


8. 分数を利用して二重根号を外す方法

ここまで、\[ \sqrt{5+2\sqrt6} \]

や、\[ \sqrt{7+4\sqrt3} \]

などの二重根号を外してきました。

しかし、次のような二重根号はどうでしょうか。\[ \sqrt{4+\sqrt7} \]

これまでの例とは異なり、内側の根号 \(\sqrt7\) の前に係数2がありません。

つまり、そのままでは\[ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} \]

の形に当てはめることができません。

根号の前に「2」がない場合は、二重根号を外せないの?

実は、このような場合でも式を分数の形に変形することで、二重根号を外せることがあります。

STEP1 内側の根号の前に「2」を作る

まず、\[ 4+\sqrt7 \]

を、\[ 4+\sqrt7 = \frac{8+2\sqrt7}{2} \]

と変形します。

したがって、\[ \sqrt{4+\sqrt7} = \sqrt{\frac{8+2\sqrt7}{2}} \]

となります。

ここがポイントです。

分子を見ると、\[ 8+2\sqrt7 \]

となり、これまで扱ってきた\[ a+b+2\sqrt{ab} \]

と同じ形が現れました。


STEP2 分子の二重根号を外す

次に、\[ 8+2\sqrt7 \]

について考えます。

和が8、積が7になる2つの数を探すと、\[ 1+7=8 \]\[ 1\times7=7 \]

なので、1と7が見つかります。

したがって、\[ 8+2\sqrt7 = (\sqrt7+1)^2 \]

です。

これを先ほどの式に代入すると、\[ \sqrt{\frac{8+2\sqrt7}{2}} = \sqrt{\frac{(\sqrt7+1)^2}{2}} \]

となります。


STEP3 平方根を計算する

分子と分母に分けると、\[ \sqrt{\frac{(\sqrt7+1)^2}{2}} = \frac{\sqrt{(\sqrt7+1)^2}}{\sqrt2} \]

となります。

ここで、\[ \sqrt7+1>0 \]

なので、\[ \sqrt{(\sqrt7+1)^2} = \sqrt7+1 \]

です。

したがって、\[ \frac{\sqrt7+1}{\sqrt2} \]

となります。

分母を有理化すると、\[ \frac{\sqrt7+1}{\sqrt2} \times \frac{\sqrt2}{\sqrt2} \]\[ = \frac{\sqrt{14}+\sqrt2}{2} \]

よって、\[ \boxed{ \sqrt{4+\sqrt7} = \frac{\sqrt{14}+\sqrt2}{2} } \]

となります。


なぜこの方法で二重根号を外せるの?

今回のポイントは、\[ \sqrt{4+\sqrt7} \]

を見て、いきなり\[ \sqrt a+\sqrt b \]

と置いたことではありません。

まず、\[ 4+\sqrt7 = \frac{8+2\sqrt7}{2} \]

と変形することで、分子に意図的に「\(2\sqrt7\)」を作りました。

すると、\[ 8+2\sqrt7 \]

について、\[ 1+7=8,\qquad1\times7=7 \]

が使えるため、\[ 8+2\sqrt7 = (\sqrt7+1)^2 \]

と変形できます。

つまり、\[ \boxed{ \sqrt{4+\sqrt7} \rightarrow \sqrt{\frac{8+2\sqrt7}{2}} \rightarrow \frac{\sqrt7+1}{\sqrt2} \rightarrow \frac{\sqrt{14}+\sqrt2}{2} } \]

という流れです。

「根号の前に2がない → すぐに外せないと判断する」のではなく、分数を利用して2を作れないか考えるのがポイントです。


この方法がいつでも使えるわけではない

ただし、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

を単純に2倍して、\[ \sqrt{\frac{2A+2\sqrt B}{2}} \]

とすれば、必ず二重根号をきれいに外せるわけではありません。

重要なのは、分子\[ 2A+2\sqrt B \]

について、\[ a+b=2A,\qquad ab=B \]

を満たす扱いやすい \(a,b\) が見つかることです。

今回なら、\[ a+b=8,\qquad ab=7 \]

に対して、\[ a=7,\qquad b=1 \]

が簡単に見つかったため、うまく外すことができました。

この方法を使っても簡単な数が見つからない場合については、次の章で考えてみましょう。



9. 二重根号を外せる条件とは?

前の章では、\[ \sqrt{4+\sqrt7} \]

を、\[ \sqrt{4+\sqrt7} = \sqrt{\frac{8+2\sqrt7}{2}} \]

と変形することで、二重根号を外しました。

では、

「どのような二重根号なら、このようにきれいに外すことができるの?」

という疑問が出てきます。

ここでは、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

という形の二重根号について、二重根号を外せる条件を考えてみましょう。

STEP1 \(\sqrt a+\sqrt b\) とおいてみる

二重根号\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

が、\[ \sqrt a+\sqrt b \]

という形に変形できるとします。

つまり、\[ \sqrt{A+\sqrt B} = \sqrt a+\sqrt b \]

とします。

両辺を2乗すると、\[ A+\sqrt B = (\sqrt a+\sqrt b)^2 \]

となります。

右辺を展開すると、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 = a+b+2\sqrt{ab} \]

なので、\[ A+\sqrt B = a+b+2\sqrt{ab} \]

となります。

左右を比較すると、\[ a+b=A \]

また、\[ 2\sqrt{ab}=\sqrt B \]

であることが分かります。

2つ目の式を2乗すると、\[ 4ab=B \]

なので、\[ ab=\frac B4 \]

となります。

したがって、\(a,b\) は、\[ a+b=A \]\[ ab=\frac B4 \]

を満たす数であればよいことが分かります。


STEP2 \(a,b\) を求める

ここで、\[ a+b=A,\qquad ab=\frac B4 \]

を満たす \(a,b\) を求めてみましょう。

\(a,b\) を2次方程式の2つの解と考えると、\[ x^2-Ax+\frac B4=0 \]

という2次方程式を作ることができます。

解の公式を使うと、\[ x = \frac{A\pm\sqrt{A^2-B}}{2} \]

となります。

したがって、\[ \boxed{ a,b = \frac{A\pm\sqrt{A^2-B}}{2} } \]

となります。


STEP3 二重根号を外せる条件を考える

ここで、\[ a,b = \frac{A\pm\sqrt{A^2-B}}{2} \]

という式に注目してみましょう。

\(A,B\) が整数の場合、\[ A^2-B \]

が0以上の平方数であれば、\[ \sqrt{A^2-B} \]

は整数になります。

例えば、\[ A^2-B=9 \]

なら、\[ \sqrt{A^2-B} = \sqrt9 = 3 \]

となります。

すると、\[ a,b = \frac{A\pm3}{2} \]

となるため、\(a,b\) は整数または分数になります。

その結果、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

を、根号の中にさらに根号を含まない形に直すことができます。

ポイント

\(A,B\) が整数の場合、\[ \boxed{ A^2-B\text{ が0以上の平方数} } \]

になっていれば、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

の二重根号をきれいに外すことができます。


実際に \(\sqrt{4+\sqrt7}\) で確認してみよう

前の章で扱った\[ \sqrt{4+\sqrt7} \]

では、\[ A=4,\qquad B=7 \]

なので、\[ A^2-B=4^2-7=9=3^2 \]

となります。

\(A^2-B\) が平方数になっているため、この二重根号はきれいに外せることが分かります。

実際、\[ a,b=\frac{4\pm3}{2} \]

より、\[ a=\frac72,\qquad b=\frac12 \]

となり、第8章で求めた結果と一致します。


二重根号を簡単に外せない例

一方、\[ \sqrt{2+\sqrt2} \]

ではどうでしょうか。

この場合、\[ A=2,\qquad B=2 \]

なので、\[ A^2-B = 2^2-2 \]\[ = 4-2 \]\[ = 2 \]

となります。

2は平方数ではありません。

実際、\[ a,b = \frac{2\pm\sqrt2}{2} \]

となるため、\(a,b\) 自体に根号が残ってしまいます。

したがって、\[ \sqrt{2+\sqrt2} \]

を、\[ \sqrt a+\sqrt b \]

の形にしても、根号の中にさらに根号が残ってしまい、元の式より簡単な形にはなりません。

このような場合は、無理に二重根号を外す必要はありません。

ポイント

二重根号\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

について、\[ A^2-B \]

を計算してみると、二重根号をきれいに外せるかどうかを判断できます。

ただし、この判定方法は公式として丸暗記するより、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 = a+b+2\sqrt{ab} \]

という基本的な仕組みを理解したうえで使うことが大切です。


10. 二重根号の外し方を練習してみよう

最後に、ここまで学んだ内容を使って、いくつかの二重根号を外してみましょう。

例題1 基本的な二重根号

次の二重根号を外してください。\[ \sqrt{7+2\sqrt{10}} \]

和が7、積が10になる2つの数を探します。\[ 2+5=7 \]\[ 2\times5=10 \]

なので、2と5を使います。

したがって、\[ \sqrt{7+2\sqrt{10}} = \sqrt5+\sqrt2 \]

よって、\[ \boxed{ \sqrt{7+2\sqrt{10}} = \sqrt5+\sqrt2 } \]

となります。


例題2 マイナスの場合

次の二重根号を外してください。\[ \sqrt{7-4\sqrt3} \]

まず、\[ 4\sqrt3 = 2\sqrt{12} \]

なので、\[ \sqrt{7-4\sqrt3} = \sqrt{7-2\sqrt{12}} \]

と変形できます。

和が7、積が12になる2つの数は4と3なので、\[ \sqrt{7-2\sqrt{12}} = |\sqrt4-\sqrt3| \]

となります。

したがって、\[ = |2-\sqrt3| \]

です。

ここで、\[ 2>\sqrt3 \]

なので、\[ |2-\sqrt3| = 2-\sqrt3 \]

となります。

よって、\[ \boxed{ \sqrt{7-4\sqrt3} = 2-\sqrt3 } \]

となります。


例題3 根号の前が2ではない場合

次の二重根号を外してください。\[ \sqrt{9+4\sqrt5} \]

まず、\[ 4\sqrt5 = 2\sqrt{20} \]

と変形します。

したがって、\[ \sqrt{9+4\sqrt5} = \sqrt{9+2\sqrt{20}} \]

となります。

和が9、積が20になる2つの数は4と5なので、\[ \sqrt{9+2\sqrt{20}} = \sqrt4+\sqrt5 \]

となります。

したがって、\[ \boxed{ \sqrt{9+4\sqrt5} = 2+\sqrt5 } \]

となります。


例題4 分数を利用して二重根号を外す場合

次の二重根号を外してください。\[ \sqrt{5+\sqrt{21}} \]

このままでは、\[ a+b+2\sqrt{ab} \]

の形に当てはめにくいので、分数を利用して根号の前に2を作ります。\[ 5+\sqrt{21} = \frac{10+2\sqrt{21}}{2} \]

したがって、\[ \sqrt{5+\sqrt{21}} = \sqrt{\frac{10+2\sqrt{21}}{2}} \]

となります。

分子に注目すると、\[ 3+7=10 \]\[ 3\times7=21 \]

なので、\[ 10+2\sqrt{21} = (\sqrt7+\sqrt3)^2 \]

となります。

よって、\[ \sqrt{5+\sqrt{21}} = \sqrt{ \frac{(\sqrt7+\sqrt3)^2}{2} } \]

となります。\[ \sqrt7+\sqrt3>0 \]

なので、\[ = \frac{\sqrt7+\sqrt3}{\sqrt2} \]

となります。

最後に分母を有理化すると、\[ \frac{\sqrt7+\sqrt3}{\sqrt2} \times \frac{\sqrt2}{\sqrt2} \]\[ = \frac{\sqrt{14}+\sqrt6}{2} \]

したがって、\[ \boxed{ \sqrt{5+\sqrt{21}} = \frac{\sqrt{14}+\sqrt6}{2} } \]

となります。


例題5 二重根号を外せるか判断してみよう

次の二重根号について、簡単な形に二重根号を外せるか調べてみましょう。\[ \sqrt{3+\sqrt6} \]

第9章で説明したように、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

については、\[ A^2-B \]

を調べることで、二重根号をきれいに外せるか判断できます。

今回、\[ A=3,\qquad B=6 \]

なので、\[ A^2-B = 3^2-6 \]\[ = 9-6 \]\[ = 3 \]

となります。

3は平方数ではありません。

実際、\[ a,b = \frac{3\pm\sqrt3}{2} \]

となり、\(a,b\) 自体に根号が残ってしまいます。

したがって、\[ \sqrt{3+\sqrt6} \]

は、この方法では根号の中にさらに根号を含まない簡単な形に直すことができません。


まとめ

今回は、二重根号の外し方について解説しました。

二重根号\[ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} \]

は、\[ (\sqrt a+\sqrt b)^2 = a+b+2\sqrt{ab} \]

という関係を逆向きに利用することで、\[ \boxed{ \sqrt{a+b+2\sqrt{ab}} = \sqrt a+\sqrt b } \]

と外すことができます。

つまり、

「和が○、積が○になる2つの数を探す」

という方法は、単なる暗記テクニックではなく、2乗の展開公式を逆向きに利用したものです。

また、マイナスの場合には、\[ \boxed{ \sqrt{a+b-2\sqrt{ab}} = |\sqrt a-\sqrt b| } \]

となるため、\[ \sqrt{x^2}=|x| \]

であることにも注意しましょう。

さらに、\[ \sqrt{4+\sqrt7} \]

のように、そのままでは二重根号を外しにくい場合でも、\[ \sqrt{4+\sqrt7} = \sqrt{\frac{8+2\sqrt7}{2}} \]

のように変形し、根号の前に2を作ることで外せる場合があります。

そして、\[ \sqrt{A+\sqrt B} \]

という形については、\(A,B\) が整数の場合、\[ \boxed{ A^2-B\text{ が0以上の平方数} } \]

であるかを確認することで、二重根号をきれいに外せるか判断できます。

二重根号の問題では、公式だけを丸暗記するのではなく、\[ (\sqrt a\pm\sqrt b)^2 \]

を展開した結果を逆向きに利用していると理解しておくことが大切です。

そうすれば、問題の形が少し変わっても、自分で二重根号の外し方を考えられるようになります。

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