数学基礎

対数とは?意味・定義・公式をわかりやすく解説!【数学】

「対数って何のためにあるの?」

高校数学で対数を初めて学んだとき、このような疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

対数は一見すると複雑そうに見えますが、実はその考え方はそれほど難しくありません。

例えば、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 2^x=8
\end{eqnarray}

という式があるとき、多くの人は \(x=3\) と一瞬で回答できると思います。

それでは、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 2^x=6
\end{eqnarray}

という式があるとき、\(x\) の値を何になるでしょうか。

このような場合は、整数や簡単な数として求めることはできません。このような場合の対応策として、数学界では対数「\(\log_{a}{x}\)」というものを導入し、この時の \(x\) の値を以下のように表現します。

\begin{eqnarray}
\displaystyle x=\log_{2}{6}
\end{eqnarray}

つまり、対数とは「整数や簡単な数として求めることができない指数の値を表現するためのツール」なのです。

この記事では、対数の意味や定義から、底・真数などの用語、基本的な公式、対数の計算方法まで、具体例を使いながらわかりやすく解説していきます。

「対数がよく分からない」という人も、この記事を読みながら一つずつ理解していきましょう。

■対数とは? なぜ対数が必要なの?

先ほどの見出しでもフライングで説明した通り、「キレイな数として求めることができない指数の値を表現するためのツール」対数です。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 2^x=6 \tag{1}
\end{eqnarray}

という式を満たす \(x\) の値は、\(2\) とか \(3\) のようなキレイな数として求めることはできません。

こういう時、対数というツールを知っていると、(1)式の解としては以下の通り回答すると正解となります。

\begin{eqnarray}
\displaystyle x=\log_{2}{6}
\end{eqnarray}

対数という考え方にあまり慣れていない人は納得しづらいかと思いますが、そういう方は以下のように考えてみて下さい。

例えば、

\begin{eqnarray}
\displaystyle x^2=2
\end{eqnarray}

を満たす \(x\) の値を求めよ、という問いであれば、多くの方は

\begin{eqnarray}
\displaystyle x=\pm \sqrt{2} \tag{2}
\end{eqnarray}

と回答すると思います。それは正しい答えです。

では思い返してみてほしいのですが、 \(\sqrt{2}\) とはどういった値だったでしょうか。

これは(2)式を満たす \(x\) の値が正確に定まらない(1.41421356...と永遠に続く無理数である)ため、\(\sqrt{2}\) という記号を別途用意し、その記号を回答として利用しているに過ぎません。

対数も同様です。(1)式を満たす \(x\) の値は、実は電卓で計算すると 2.585.....と永遠に続く無理数となり、表現しづらい値となってしまうため、\(\log_{2}{6}\) という記号を別途用意し、その記号を回答として利用しているのです。


■対数の定義

対数の定義について確認します。以下のような関係式

\begin{eqnarray}
\displaystyle a^x=N \tag{3}
\end{eqnarray}

があるとき、\(x\) の値は対数を利用して

\begin{eqnarray}
\displaystyle x=\log_{a}{N} \tag{4}
\end{eqnarray}

と表現することができます。

ちなみに(4)式において、\(a\) を底\(N\) を真数と呼びます。これらが取れる値の範囲には条件がついているのですが、それは後程まとめることにします。


■対数の底と真数には条件がある

先ほど出てきた”底”と”真数”は、実は取れる値の範囲が決まっています。ここはかなり重要です。

以下に、”底”と”真数”の取れる値の範囲についてまとめます。

”底”と”真数”の取れる値の範囲

\(\log_{a}{x}\) という対数が存在するとき、底 \(a\) と真数 \(x\) は以下を満たす必要がある。

  • \(a>0 \ かつ \ a \neq 1\)
  • \(x>0\)

なぜ上記のような条件が必要なのでしょうか。

まずは比較的理解しやすい真数条件(\(x>0\))から説明していきますが、これは(3)式でいうところの \(N\) に相当します。

底の条件(\(a>0 \ \)かつ\( \ a \neq 1\))を前提として、(3)式の \(x\) に様々な値を入れてみて、\(N\) の値がどうなるのか試してみて下さい。

仮に \(x=-100\) を代入したとしても、負の値になることはないはずです。

このように、\(x\) にどのような値を入れたとしても、真数部分 \(N\) の値が負になることはないため、真数条件として \(N>0\) が必要となってくるのです。

おろち
おろち

「上の説明がよくわからないよ!」という方は、試しに

\begin{eqnarray}
\displaystyle y=a^x
\end{eqnarray}

のグラフを描いてみることをおススメします。
 ※\(a\) の値は、底の条件を満たすものであれば何で設定してもいいです。(2でも1/2でもOK)

一応、次の項目「■指数と対数の関係」において \(y=2^x\) のグラフを載せているので、参考としてください。

次に底の条件についてですが、こちらは一言で言うと「そう決めないと、振動する形やら虚数やら平凡な結果が出てきて、実用的でなくなるから」です。

実際に条件に当てはまらない値(\(a<0\)、\(a=0\)、\(a=1\))の場合どうなるのか?を考えて見るのがわかりやすいと思います。

(i) a<0 のとき

例えば(3)式で \(a=-2\) として考えてみると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle x&=&2 \ のとき、y=(-2)^2=4 \\
\displaystyle x&=&3 \ のとき、y=(-2)^3=-8 \\
\displaystyle x&=&4 \ のとき、y=(-2)^4=16 \\
\displaystyle x&=&5 \ のとき、y=(-2)^5=-32 \\
\end{eqnarray}

となり、振動するような形となりそうです。高校生で学ぶ関数としては、扱いづらいため避けたい形ですよね。

また、試しに \(x=\frac{1}{2}\) の時にどうなるのかも見て見ましょう。

\begin{eqnarray}
\displaystyle x&=&\frac{1}{2} \ のとき、y=(-2)^\frac{1}{2}=\sqrt{-2}=\sqrt{2}i
\end{eqnarray}

なんと、虚数が出てきます。試してみるとわかりますが、\(x\) の値が整数でなければ、基本的には虚数が出てきます。

底が負の値を取ることを許すと、上記のような扱いづらい関数が存在することを許すことになってしまうため、底は正の値を取ると決めるようにしているわけです。

(ii) a=0 または a=1 のとき

\(a=0\) の時は(3)式より、どんな \(x\) の値の場合も \(N=0\) となります。

おろち
おろち

補足すると、\(x<0\) の場合は分母が \(0\) となってしまうため、定義できなくなります。

(例) \(x=-1 \ \)のとき、

\begin{eqnarray}
\displaystyle y=0^{-1}=\frac{1}{0} \leftarrow 未定義
\end{eqnarray}

また \(a=1\) の時は、どんな \(x\) の値の場合も \(N=1\) となります。

つまり、\(a=0\)、 \(a=1\) の場合は \(x\) の値に関係なく \(N\) の値が一意に定まってしまうため、もはや関数と呼べるものではなくなります。

ゆえに、これらも底の条件から外しており、結果として底の条件(\(a>0 \ \)かつ\( \ a \neq 1\))が必要となっているわけです。


■指数と対数の関係

指数関数と対数関数は、逆関数の関係性があります。これはグラフで見るとわかりやすいです。

GeoGebra:<https://www.geogebra.org/graphing?lang=ja>

これは対数関数が、そもそも指数関数の逆関数として定義されていることから明らかです。

具体的には、

\begin{eqnarray}
\displaystyle y=2^x \tag{5}
\end{eqnarray}

という指数関数があったとき、「\(x=\)」 の形でこの式を表現すると

\begin{eqnarray}
\displaystyle x=\log_{2}{y} \tag{6}
\end{eqnarray}

となることから、対数関数は上のグラフの青線のように、指数関数のグラフ(緑線)の逆関数のように描くことができます。


■対数の基本的な値

以下に、対数の基本的な値についてまとめます。

対数の基本的な値まとめ

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{1}&=&0 \\
\displaystyle \log_{a}{a}&=&1 \\
\displaystyle \log_{a}{a^n}&=&n \\
\end{eqnarray}

上記はいずれも(3)と(4)の関係式さえ認識していたら容易に導出可能なものなので、暗記する必要は一切ありません。


■対数の基本公式

対数にも一応、基本的な公式が存在します。それらについて以下にまとめます。

対数の基本的な値まとめ

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{M}+\log_{a}{N}&=&\log_{a}{MN} \tag{7} \\
\displaystyle \log_{a}{M}-\log_{a}{N}&=&\log_{a}{\frac{M}{N}} \tag{8} \\
\displaystyle \log_{a}{M^r}&=&r\log_{a}{M} \tag{9}
\end{eqnarray}

上記はいずれも(3)式の形から考えることで簡単に証明が可能です。

(7)式の証明

\(x=\log_{a}{M}\), \(y=\log_{a}{N}\) とおくと、

\begin{eqnarray}
\displaystyle a^x=M \tag{10} \\
\displaystyle a^y=N \tag{11}
\end{eqnarray}

の関係性が成立します。これより、

\begin{eqnarray}
\displaystyle MN=a^x \cdot a^y=a^{x+y} \tag{12} \\
\end{eqnarray}

となるため、両辺に対数(\(\log_{a}\))を取ると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{MN}=\log_{a}{a^{x+y}}=x+y=\log_{a}{M}+\log_{a}{N}
\end{eqnarray}

より、(7)式が証明できた。

(8)式の証明

先ほど定義した(10)、(11)を利用すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{M}{N}=\frac{a^x}{a^y} =a^{x-y} \tag{13} \\
\end{eqnarray}

となるため、両辺に対数(\(\log_{a}\))を取ると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{\frac{M}{N}}=\log_{a}{a^{x-y}}=x-y=\log_{a}{M}-\log_{a}{N}
\end{eqnarray}

より、(8)式が証明できた。

(9)式の証明

先ほど定義した(10)を利用すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle M^r=(a^x)^r=a^{rx} \tag{14} \\
\end{eqnarray}

となるため、両辺に対数(\(\log_{a}\))を取ると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{M^r}=\log_{a}{a^{rx}}=rx=r\log_{a}{M}
\end{eqnarray}

より、(9)式が証明できた。


■底の変換公式

こちらも重要な公式です。実は底は、以下の公式を利用することで自由に変換することができます。

対数の基本的な値まとめ

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{b}&=&\frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}} \tag{15} \\
\end{eqnarray}

(15)式の証明

\(x=\log_{c}{b}\), \(y=\log_{c}{a}\) とおくと、

\begin{eqnarray}
\displaystyle c^x=b \tag{16} \\
\displaystyle c^y=a \tag{17}
\end{eqnarray}

の関係性が成立します。(16)式と(17)式の両辺に対数(\(\log_{a}\))を取ると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{c^x}&=&\log_{a}{b} \\
\displaystyle \log_{a}{c^y}&=&\log_{a}{a}=1
\end{eqnarray}

となるため、これらの式を \(x\), \(y\) について整理すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle x&=&\frac{\log_{a}{b}}{\log_{a}{c}} \\
\displaystyle y&=&\frac{1}{\log_{a}{c}}
\end{eqnarray}

となるため、これらを利用すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}}=\frac{x}{y}=\frac{\frac{\log_{a}{b}}{\log_{a}{c}}}{\frac{1}{\log_{a}{c}}}=\log_{a}{b}
\end{eqnarray}

となるため、(15)式が証明できた。


■まとめ

今回は、対数の基本について解説しました。

対数とは、簡単にいうと「何乗すればその数になるのか」を表すものです。

\begin{eqnarray}
\displaystyle a^x=N
\end{eqnarray}

という関係があるとき、

\begin{eqnarray}
\displaystyle \log_{a}{N}=x
\end{eqnarray}

と表します。

また、対数を理解するうえでは、次のポイントが重要です。

  • 対数は指数を表している
  • \(\log_{a}{N}\) の \(a\) を「底」、\(N\) を「真数」という
  • 底と真数には取れる範囲(条件)がある
  • \(\log_{a}{1}=0\)、\(\log_{a}{a}=1\) である
  • 積・商・べき乗に関する基本公式がある
  • 底の変換公式を利用して、対数の計算を簡単にできる

対数は、最初は見慣れない記号が出てくるため難しく感じるかもしれません。

しかし、「対数は指数を取り出すもの」と考えると、指数との関係が見えやすくなります。

対数の基本を理解したら、次は対数の公式の証明や対数方程式、対数不等式、常用対数などについても学んでみましょう。

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