雑談

【大学院進学のメリット・デメリット】
院卒生の素直な感想

本記事では、筆者が大学院に進学した時の経験談を基に、「大学院へ行くべき人」と「大学院へ行かない方がよい人」についてまとめました。
現在進学を悩んでいる大学生の方は、見て損はないと思いますので、是非決断の参考にしていただけると幸いです!

おろち
おろち

ちなみに筆者自身は、「大学院へ行かない方がよい人」でした。
(進学したことを少し後悔しています、、、)
当時の私が本記事を見たら、恐らく大学院へは行かず、就職していたかと思います。

【本記事の前提】
筆者は理系の大学・大学院に進んだため、その時の経験談を基に話します。

■大学院へ行くべき人/行かない方がよい人

まず最初に、以下に大学院に「行くべき人」と「行かない方がよい人」についてまとめます。

大学院に行くべき人

・大学で学んできた分野について、さらに深堀して勉強・研究をしたい人

・将来的に研究者として飯を食べていく覚悟ができている人

大学院に行かない方がよい人

・特に今後勉強・研究したい分野がない人

・「働きたくない」という理由で、一時しのぎ的に進学を考えている人

まとめると、「大学院へ行く明確な理由がある人」は大学院へ進学することはとても良い選択だと思います。
しかし、それ以外の人については、恐らく大学院に進学することで以下に述べる「デメリット」の部分に直面し、苦しい思いをする可能性があります。

以降は経験談を基に、大学院に進むことによるメリット・デメリットについて述べていきます。


■大学院へ行った場合の”メリット”

大学院へ行った場合のメリットを、以下にまとめます。

メリット

①大学時代に勉強した内容を利用し、応用的な学問の勉強・研究ができる。

②社会に出る前に、ある程度のプレゼン能力を身に着けることができる。

③学部卒と比較して、平均年収が高い。

順番に、詳しく述べていきます。

①大学時代に勉強した内容を利用し、応用的な学問の勉強・研究ができる。

こちらのメリットについてはわかりやすいと思います。
特に理系に進学した方はわかると思うのですが、基本的には大学1年~3年の間の期間は研究のために必要な知識を身に着ける段階であり、その知識を活かした実践的な研究ができるのは、研究室に所属する大学4年生もしくは大学院に進学してから、というのが一般的かと思います。
 (※大学によってこのあたりの期間は異なります。ご了承ください。)

もし大学で勉強した内容がとても興味深いものであり、「これまで学んできた知識を利用してガッツリ研究に没頭してみたい!」という人であれば、大学院への進学をお勧めします!

②社会に出る前に、ある程度のプレゼン能力を身に着けることができる。

研究室に所属したら、基本的には週1、もしくは月1程度で研究室内でゼミが開催されます。
私が所属していた研究室では毎週、以下のような内容のゼミが開催されていました。(基本的には他の研究室でも同様だと思います)

・自分が読んだ研究論文の内容説明
・自身の研究内容の説明および進捗報告
・最近注目している論文の内容説明
・他大学から著名な教授を招聘し、その方が研究されている内容を拝聴

上に挙げた内容を、研究室所属の学生と先生が毎週持ち回りで担当していく形でした。
基本的に報告は全て”パワーポイント”を使用し、スクリーンに投影して全員の前で説明します。
そして説明の途中途中で先生方から、「資料の構成や内容」、「説明の仕方」、「論文・研究内容の理解度」に関してありがたいご指摘・ご指導を受けつつ、実践的なプレゼン能力を身に着けていきますw。

おろち
おろち

資料作成やプレゼンに対する指摘・指導の厳しさは、所属した研究室次第で変わってきます。
そのため、自分の性格に合った研究室に所属することも、実は大学院に進学する上で重要な要素となります!


③学部卒と比較して、平均年収が高い。

ググってもらえればすぐに出てくると思いますが、学部卒に比べて、大学院卒の方が年収では平均で【約80万円~100万円】、生涯収入で見ると平均で【約4000万円~5000万円】程の差があるようです。
もちろん、学部卒でも大学院卒の年収を超えるケースも多く存在すると思いますので、一概には言えませんが、まあ参考程度に。


■大学院へ行った場合の”デメリット”

続いて、大学院へ行った場合のデメリットを、以下にまとめます。

おろち
おろち

筆者自身が大学院に行って後悔した側の人間のため、メリット観点の記載と比べてちょっと具体的な表現が多くなるかもしれません、、、

デメリット

①研究に興味を持てないと、毎週のゼミが辛くなる

②やりたい研究を明確化しないと、お金を払って教授の手伝いをする形になる

③院卒で就職した場合、学部卒で就職した人(年下の人)と同期になる

順番に、詳しく述べていきます。

①研究に興味を持てないと、毎週のゼミが辛くなる

前提として、私の場合は自分の研究分野にも興味を持つことができなかったため、自身の研究も思うように進めることができない状況でした。

おろち
おろち

お恥ずかしながら、私は働きたくないという思いから、特に目的や目標もなく大学院に進学してしまったので、、、

私が所属していた研究室では毎週ゼミが開催され、ゼミ1回につき2名が何かしらの発表をする形でした。
ゼミで私が発表する番となった際、自分の研究の進捗がなかったため、[自身の研究内容の進捗報告]をするのは基本的に難しい状況でした。
そうなると[自分が最近読んだ研究論文の説明]くらいしか選択肢がないのですが、基本的に研究論文は英語で書かれているため、読むのは簡単ではありません。
また読めたとしても、英語を和訳する形で読み進めていくため、解釈違いのまま読み進め、間違った理解をしてしまうケースも多々あります。

そのような背景の元、ハリボテのようなプレゼン資料を取り急ぎで作成し、浅い知識でゼミのプレゼンに臨むわけです。
、、、どんな感じになるか、なんとなくわかりますよね?

結論としては、私のプレゼンの時は毎回、教授の怒号が飛び交ってましたw。
思い返すと、以下のようなことをよく注意された気がします。

・「論文の解釈の仕方が誤っている!」
・「資料に文字を書きすぎていて分かりにくい!図や数式を入れて説明せよ!」
・「資料の構成がわかりづらい!最初にまず結論を述べよ!」
・「何を伝えたいのかがわからない!」
・(質問に答えられなかった場合)「それは学部で学ぶ基本的なところだぞ!」

今改めて注意されたところを見返すと、、、うーん、まあ、、、指摘されていることの大半は至極真っ当なものですねーw。
(当時は私も若かったので、注意されるたびに相手を恨んだものですが)

もし、自分の研究に興味を持っていて、研究をすることが楽しいと思うことができていれば、関連論文が英語だろうが内容が難しかろうが、苦痛ではなくむしろ楽しめるのだと思います。

②やりたい研究を明確化しないと、
 お金を払って教授の手伝いをする形になる

突然ですが、皆さんに質問です。
研究室に所属した学生が研究する分野や内容って、どのようにして決まるか、ご存じですか?

「分野」に関しては所属した研究室次第である程度決まります。
しかし、「内容」についてはどうでしょうか?

あくまでこれは筆者のケースですが、筆者の場合は、まず私の研究を担当してくれる教授が決定しました。
で、教授が2種程の研究内容を紹介してくれて、「どちらに興味がある?」と聞いてきます。
私が「うーん、どちらかというと、、こっちですかね」と答えました。
すると教授が「じゃあそれでいこう!」と言い、私の研究内容が決定しました。

、、、いやいや、嘘じゃないです!本当にこんな感じでした!
もちろん、やりたい研究を特に決めてない状態で研究室に入った(というか大学院に進学した)私が悪いのですが、上記のような感じでポンポンと、これから私が長い時間と労力をかけて取り組む研究内容が決定したのです。

この時に提示された研究内容はもちろん教授がその時取り組んでいる(もしくは興味を持っている)研究内容の一部でした。そのため、感覚的には教授の研究の手伝いをしている助手のような形になります。
それを学生側がお金を払ってやるわけです。しかも、その研究分野に興味を持てないとなると、、、地獄ですよねw。

③院卒で就職した場合、学部卒で就職した人(年下の人)と同期になる

意外と盲点なのが、実はこれかもしれません。
考えれば当たり前の話なのですが、院卒で一般企業に就職した場合、学部卒と同じ新卒となります。
つまり、2歳年下の学部卒の人と「同期」になるわけです。
同期なので、もちろん基本的には対等な立場です。
社会に出たら年上も年下も関係ありません。

そのあたりを、特に気にしない、もしくは気にならない方なら全然問題ないのですが、例えば心のどこかで「こいつ、年下のくせにガンガン雑用依頼してくるな、、、」とか、「この人、すごい優秀な人だけど、私より2歳年下なんだ、、、」とかを考えてしまうと、少し暗い気持ちになってしまうケースもでてくるかも。

まあ、このあたりは人によると思うので、許容できるのであれば問題ないです。

おろち
おろち

筆者は流石にもう慣れましたが、
新卒として入社した最初のうちは正直、学部卒の方と接するのに少々抵抗があった時期があったため、人によってはこれは大きなデメリット要素になるのかな、と思ってます。




■まとめ:【理系⇒大学院進学】という固定観念は捨てよう!

これまで述べてきた通り、大学院という場所は
 ・研究したい分野がある
 ・将来研究職につきたい
 ・学部で学んだ知識を利用して、2年間ガッツリ研究に没頭したい

という、明確な目標や覚悟を持った人が行くべき場所、というのが私の結論です。

私が学部の時代は、「理系の学部に進んだのであれば、大学院に行くのが普通だよ」とか、「理系大学生の8割は大学院に進んでるよ」とか言われていたため、私もその言葉に従いなんとなくの気持ちで大学院に進学しました。
、、、で、結果がこれです。

現在大学生の方は、もし大学院への進学を考えているのであれば、是非ともよくよく考えてみて下さい。少なくとも、
 ・まだ働きたくないし、学生でいたいから、とりあえず進学するか
 ・平均年収が高くなるみたいだし、とりあえず進学するか
 ・理系は大学院に進むものみたいだし、周りに合わせて進学するか

のような考えで進学する方は、少々危険だと筆者は思っています。

理系でも学部卒で一生懸命働いて、誰よりも出世している友人が身近にいますし、考え方によっては学部卒の方が一足先に社会に出て経験を早く積んでいるわけですから、学部卒のメリットも多くあります。

本記事が、現在【就職】か【大学院進学】か悩んでいる方の参考となればこれ以上の喜びはありません。
是非とも、悔いのない決断をして、人生を楽しんでください。
最後まで本記事をお読みいただき、ありがとうございました!

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