「素数」と聞くと、
\begin{eqnarray}
2, 3, 5, 7, 11, 13, \cdots
\end{eqnarray}
のような数を思い浮かべる方が多いと思います。
素数とは、1 とその数自身以外では割り切れない、1 より大きい自然数のことです。
実は素数の中には、特別な性質を持つことから名前が付けられているものがたくさんあります。
例えば、
- 1 だけを並べてできる「レピュニット素数」
- \(2^n-1\) の形で表される「メルセンヌ素数」
- 差が 2 となる「双子素数」
- 前から読んでも後ろから読んでも同じ「回文素数」
などがあります。
中には「セクシー素数」や「エマープ素数」といった、少し変わった名前の素数も存在します。
そこで本記事では、有名な素数・特殊な素数にはどのような種類があるのか、それぞれの定義・具体例・特徴を一覧でわかりやすく紹介します。
「素数にはどんな種類があるの?」
「変わった名前の素数をいろいろ見てみたい!」
という方は、ぜひ最後までご覧ください。
素数の種類一覧
まずは、本記事で紹介する代表的な素数を一覧で見てみましょう。
| 種類 | どんな素数? | 例 |
|---|---|---|
| レピュニット素数 | すべての桁が 1 でできた素数 | 11 |
| メルセンヌ素数 | \(2^n-1\) の形で表される素数 | 3, 7, 31 |
| ソフィー・ジェルマン素数 | \(p\) と \(2p+1\) がともに素数 | 2, 3, 5, 11 |
| 安全素数 | 素数 \(q\) に対し、 \(\frac{q-1}{2}\) も素数 | 5, 7, 11, 23 |
| 双子素数 | 差が 2 となる素数の組 | (3,5), (5,7), (11,13) |
| いとこ素数 | 差が 4 となる素数の組 | (3,7), (7,11) |
| セクシー素数 | 差が 6 となる素数の組 | (5,11), (7,13) |
| 回文素数 | 逆から読んでも同じになる素数 | 11, 101, 131 |
| エマープ素数 | 数字を逆に並べても別の素数になる素数 | 13, 17, 31, 71 |
このように、一口に素数といっても、特別な性質に注目するとさまざまな種類があります。
それぞれどのような素数なのか、順番に見ていきましょう。
レピュニット素数
すべての桁の数字が「1」で構成された自然数はレピュニット数と呼びます。
レピュニット素数の特徴
・2026年9月時点で、素数であることが証明されている 10 進法のレピュニット素数は、以下の 8 個です。
\begin{eqnarray}
R_2, R_{19}, R_{23}, R_{317}, R_{1031}, R_{49081}, R_{86453}, R_{109297}
\end{eqnarray}
・すべての桁が 1 なので、後ほど紹介する回文素数にもなっています。
メルセンヌ素数
ちなみに、自然数 \(n\) に対し、\(2^n-1\) で表現できる数をメルセンヌ数と呼びます。
メルセンヌ素数の特徴
\(2^n-1\) が素数になるためには、\(n\) も素数でなければなりません。
ただし、
\(n\) が素数なら必ず \(2^n-1\) も素数になるというわけではありません。
例えば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 2^{11}-1=2047=23 \times 89
\end{eqnarray}
なので、11 は素数ですが \(2^{11}-1\) は素数ではありません。
また、メルセンヌ素数は完全数とも深い関係があります。
ソフィー・ジェルマン素数
安全素数
双子素数
双子素数の特徴
双子素数について非常に有名なのが、
『双子素数は無限に存在するのか?』
という問題です。
これは「双子素数予想」と呼ばれており、現在も数学の重要な未解決問題の一つです。
いとこ素数
セクシー素数
回文素数
回文素数の特徴
実は、桁数が偶数の回文素数は 11 しかありません。
11 以外の偶数桁の回文数は 11 の倍数になるため、素数にはならないからです。
また、先ほど紹介したレピュニット素数はすべて回文数でもあるため、レピュニット素数は回文素数でもあります。
エマープ素数
「エマープ」という名前の由来
素数は英語で、
prime
といいます。
これを逆から並べると、
emirp
になります。
この「emirp」がエマープ素数という名前の由来です。
ちなみに、11 や 101 のように逆から読んでも同じ数になる素数は、エマープ素数ではなく回文素数として扱われます。
ほかにも特殊な素数はたくさんある
今回紹介したもの以外にも、数学にはさまざまな名前を持つ素数があります。
例えば、
フェルマー素数
\begin{eqnarray}
\displaystyle 2^{2^n}+1
\end{eqnarray}
の形で表される素数。
階乗素数
\begin{eqnarray}
\displaystyle n! \pm 1
\end{eqnarray}
の形で表される素数。
ウィルソン素数
ウィルソンの定理と関係する特殊な条件を満たす素数。
などがあります。
このほかにも、素数には非常に多くの分類があります。
すべてを詳しく紹介するとかなり長くなってしまうため、本記事では比較的有名で、特徴をイメージしやすいものを中心に紹介しました。
まとめ|素数には面白い種類がたくさんある
今回は、特別な名前が付けられている素数について紹介しました。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| レピュニット素数 | すべての桁が 1 |
| メルセンヌ素数 | \(2^n-1\) の形 |
| ソフィー・ジェルマン素数 | \(p\) と \(2p+1\) がともに素数 |
| 安全素数 | 素数 \(q\) に対し、 \(\frac{q-1}{2}\) も素数 |
| 双子素数 | 差が 2 |
| いとこ素数 | 差が 4 |
| セクシー素数 | 差が 6 |
| 回文素数 | 逆から読んでも同じ |
| エマープ素数 | 逆から読んでも別の素数 |
普通の素数は、
\begin{eqnarray}
\displaystyle 2, 3, 5, 7, 11, \cdots
\end{eqnarray}
と一見バラバラに並んでいるように見えます。
しかし、特定の性質に注目すると「双子素数」「メルセンヌ素数」「回文素数」など、さまざまなグループに分類できます。
中には、双子素数のように現在でも解明されていない問題につながるものもあります。
素数は「1 と自分自身でしか割り切れない」というシンプルな定義を持つ数ですが、調べてみると非常に奥深い世界が広がっています。
この記事をきっかけに、気になった素数についてさらに調べてみるのも面白いでしょう。