おもしろ数学(数学コラム)

【倍数判定法一覧】
3・4・5・6・7・8・9・10・11の見分け方と
成り立つ理由を解説

整数の問題を解く際によく登場する「倍数判定法」。

3の倍数なら各桁の和を見る、11の倍数なら交互に足し引きする――といった判定法を覚えている人も多いでしょう。

しかし、「なぜその方法で倍数かどうか分かるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

本記事では、3・4・5・6・7・8・9・10・11の倍数判定法を一覧で紹介するとともに、それぞれの判定法がなぜ成り立つのかをできるだけ分かりやすく解説します。

暗記だけではなく、仕組みから理解したい方はぜひ最後までご覧ください。

■ 3の倍数判定法と、それが成立する理由

3の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

3の倍数判定法

全ての桁の数字を足して、その数が3の倍数であった場合、元の数は3の倍数である。

(例1) 2157 は、2+1+5+7=15 であり、15は3の倍数であるため、2157 も 3 の倍数である。
(例2) 111111111 は、1+1+1+1+1+1+1+1+1=9 であり、9は3の倍数であるため、111111111 は 3 の倍数である。

3の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{3(3333a+333b+33c+3d)}}}}+\color{red}{\underset{②}{\underline{\color{black}{a+b+c+d+e}}}} \tag{2}
\end{eqnarray}

(2)式において、項①については明らかに3の倍数です。

つまり、項②が3の倍数であれば、(2)の項①、②ともに3の倍数となるため、(1)の5ケタの数も3で割り切れることがわかります。

以上より、5ケタの数字の場合については、各桁の数を足し合わせてその数が3の倍数となれば、その5ケタの数自身も3の倍数となることが証明できます。

今回は5ケタの場合を例に証明してみましたが、何ケタの場合でも同じように証明ができます。


■ 4の倍数判定法と、それが成立する理由

4の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

4の倍数判定法

下2桁の数字が4の倍数(もしくは"00")であれば、元の数は4の倍数である。

(例1) 934572 は、下2桁の数字が"72"であり、それは4の倍数であるため、934572 も 4 の倍数である。
(例2) 111114 は、下2桁の数字が"14"であり、それは4の倍数ではないため、111114 は 4 の倍数ではない。

4の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{4(2500a+250b+25c)}}}}+\color{red}{\underset{②}{\underline{\color{black}{10d+e}}}} \tag{2}
\end{eqnarray}

(2)において、項①については明らかに4の倍数です。

つまり、項②が4の倍数であれば、(2)の項①、②ともに4の倍数となるため、(1)の5ケタの数も4で割り切れることがわかります。

また、下2ケタが"00"の場合は、5ケタの数字は100の倍数となるため、それは明らかに4で割り切れます。

以上より、5ケタの数字の場合については、下2ケタの数が4の倍数となれば、その5ケタの数自身も4の倍数となることが証明できます。

今回は5ケタの場合を例に証明してみましたが、何ケタの場合でも同じように証明ができます。


■ 5の倍数判定法と、それが成立する理由

5の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

5の倍数判定法

下1桁の数字が"0"もしくは"5"であれば、元の数は5の倍数である。

5の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{5(2000a+200b+20c+2d)}}}}+\color{red}{\underset{②}{\underline{\color{black}{e}}}} \tag{2}
\end{eqnarray}

(2)において、項①については明らかに5の倍数です。

つまり、項②が5の倍数であれば、(2)の項①、②ともに5の倍数となるため、(1)の5ケタの数も5で割り切れることがわかります。

また、下1ケタが"0"の場合は、5ケタの数字は10の倍数となるため、それは明らかに5で割り切れます。

以上より、5ケタの数字の場合については、下1ケタの数字が"0"か"5"であれば、その5ケタの数は5の倍数となることが証明できます。

また、何ケタの場合でも5ケタの時と同じように証明ができます。


■ 6の倍数判定法と、それが成立する理由

6の倍数判定法を以下に示します。「なぜ成立するのか」については明らかなため、省略します。

6の倍数判定法

対象の数が"3の倍数"かつ"2の倍数"であれば、その数は6の倍数である。


■ 7の倍数判定法と、それが成立する理由

本記事最難関です。
7の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

7の倍数判定法

1の位の数字から3ケタずつ区切り、それらを交互に加減した結果が7の倍数であれば、元の数字も7の倍数である。

(例1) 3,141,592,653 という10ケタの数字が7の倍数かどうか確認する。

   1の位の数字から3ケタずつ区切ると、「3 / 141 / 592 / 653」となる。

   区切った数を交互に加減すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 653-592+141-3=199
\end{eqnarray}

   となり、199 は 7 の倍数ではないため、3,141,592,653 は 7 の倍数ではない。

(例2) 14,159,264 という8ケタの数字が7の倍数かどうか確認する。

   1の位の数字から3ケタずつ区切ると、「14 / 159 / 264」となる。

   区切った数を交互に加減すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 264-159+14=119
\end{eqnarray}

   となり、119 は 7 の倍数であるため、14,159,264 は 7 の倍数である。

7の倍数判定法が成立する理由

例えば、10ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の10ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e, f, g, h, i, j\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 1000000000a+100000000b+10000000c+1000000d \\
\displaystyle +100000e+10000f+1000g+100h+10i+j \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 1000000000a+1000000(100b+10c+d)+1000(100e+10f+g)+100h+10i+j \tag{2} \\
\end{eqnarray}

ここで突然ですが、以下の通り \(A, B, C\) を定義します。

\begin{eqnarray}
\displaystyle A&:=&100b+10c+d \\
\displaystyle B&:=&100e+10f+g \\
\displaystyle C&:=&100h+10i+j
\end{eqnarray}

上で定義した \(A, B, C\) を(2)に代入すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 1000000000a+1000000A+1000B+C \tag{3} \\
\end{eqnarray}

となります。(3)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{1000000001}}}}a+\color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{999999}}}}A+\color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{1001}}}}B+(\color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{-a+A-B+C}}}}) \tag{4} \\
\end{eqnarray}

(3)から(4)に変形した目的としては、”7の倍数の項”と”それ以外の項”で分けるためです。

(4)より、項①以外の項は7の倍数となるため、あとは項①が7の倍数であれば、元の10ケタの数字は7の倍数であることがわかります。

そして、 \(A, B, C\) は”1の位の数字から3ケタずつ区切った数字”であるため、7の倍数判定法が成立するわけです。

おろち
おろち

<補足>

今回は10ケタの数字を例に証明しましたが、

例えば \(a=0\) としても上の議論は成立することがわかれば、9ケタの数字の場合も成立することが理解できると思います。8ケタ以下の数字の場合も同様です。

では、11ケタより大きい数字の場合はどうでしょう?、、、そうですね、その時の証明はまた別途必要ですね。

何故なら、例えば13ケタの数字の場合を考えた時、(4)式に相当する式として以下のような式が出てきます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{999999999999}}}}a+\color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{1000000001}}}}A+\color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{999999}}}}B+\color{red}{\underset{7の倍数}{\underline{\color{black}{1001}}}}C+(\color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{a-A+B-C+D}}}}) \tag{5} \\
\end{eqnarray}

「何故上式のようになるのか?」「\(D\)って何?」という部分の説明は割愛します。

(5)式で出てくる、数字”999999999999”が7の倍数であることが明らかであれば問題ないのですが、すぐにわかる人は少ないと思います。

よって、ケタ数が増えた場合は、この部分の7の倍数確認が都度必要になるため、全ケタに対する証明は本記事では出来ていないのです。


■ 8の倍数判定法と、それが成立する理由

8の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

8の倍数判定法

下3桁の数字が8の倍数(もしくは"000")であれば、元の数も8の倍数である。

(例1) 934872 は、下3桁の数字が"872"であり、それは8の倍数であるため、934872 も 8 の倍数である。
(例2) 111114 は、下3桁の数字が"114"であり、それは8の倍数ではないため、111114 は 8 の倍数ではない。

8の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{8(1250a+125b)}}}}+\color{red}{\underset{②}{\underline{\color{black}{100c+10d+e}}}} \tag{2}
\end{eqnarray}

(2)において、項①については明らかに8の倍数です。

つまり、項②が8の倍数であれば、(2)の項①、②ともに8の倍数となるため、(1)の5ケタの数も8で割り切れることがわかります。

また、下2ケタが"000"の場合は、5ケタの数字は1000の倍数となるため、それは明らかに8で割り切れます。

以上より、5ケタの数字の場合については、下3ケタの数が8の倍数となれば、その5ケタの数自身も8の倍数となることが証明できます。

今回は5ケタの場合を例に証明してみましたが、何ケタの場合でも同じように証明ができます。


■ 9の倍数判定法と、それが成立する理由

9の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

9の倍数判定法

全ての桁の数字を足して、その数が9の倍数であった場合、元の数も 9 の倍数となる。

(例1) 21573 は、2+1+5+7+3=18 であり、18は9の倍数であるため、21573 も 9 の倍数である。
(例2) 111111111 は、1+1+1+1+1+1+1+1+1=9 であり、9は9の倍数であるため、111111111 は 9 の倍数である。

9の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{9(1111a+111b+11c+d)}}}}+\color{red}{\underset{②}{\underline{\color{black}{a+b+c+d+e}}}} \tag{2}
\end{eqnarray}

(2)式において、項①については明らかに9の倍数です。

つまり、項②が9の倍数であれば、(2)の項①、②ともに9の倍数となるため、(1)の5ケタの数も9で割り切れることがわかります。

以上より、5ケタの数字の場合については、各桁の数を足し合わせてその数が9の倍数となれば、その5ケタの数自身も9の倍数となることが証明できます。

今回は5ケタの場合を例に証明してみましたが、何ケタの場合でも同じように証明ができます。


■ 10の倍数判定法と、それが成立する理由

10の倍数判定法を以下に示します。「なぜ成立するのか」については明らかなため、省略します。

6の倍数判定法

下1桁の数字が"0"であれば、その数字は10の倍数である。


■ 11の倍数判定法と、それが成立する理由

最後に11の倍数判定法と、「なぜ成立するのか」を以下に示します。

11の倍数判定法

1の位の数字から1ケタずつ区切り、それらを交互に加減した結果が11の倍数であれば、元の数字も11の倍数である。

(例1) 3,141,592,653 という10ケタの数字が11の倍数かどうか確認する。

   1の位の数字から3ケタずつ区切ると、「3 / 1 / 4 / 1 / 5 / 9 / 2 / 6 / 5 / 3」となる。

   区切った数を交互に加減すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 3 - 1 + 4 - 1 + 5 - 9 + 2 - 6 + 5 - 3=-1
\end{eqnarray}

   となり、-1 は 11 の倍数ではないため、3,141,592,653 は 11 の倍数ではない。

(例2) 4,537,951 という7ケタの数字が11の倍数かどうか確認する。

   1の位の数字から3ケタずつ区切ると、「4 / 5 / 3 / 7 / 9 / 5 / 1」となる。

   区切った数を交互に加減すると、

\begin{eqnarray}
\displaystyle 4-5+3-7+9-5+1=0
\end{eqnarray}

   となり、0 は 11 の倍数であるため、4,537,951 は 11 の倍数である。

11の倍数判定法が成立する理由

例えば、5ケタの数字の場合で考えて見ましょう。

任意の5ケタの数字は、以下のように表現できます。
 ※ただし、\(a\) には 1~9 のいずれかの整数が入り、\(b, c, d, e\) には 0~9 のいずれかの整数が入るとします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle 10000a+1000b+100c+10d+e \tag{1}
\end{eqnarray}

(1)は、以下の通り変形することができます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{\underset{11の倍数}{\underline{\color{black}{9999}}}}a+\color{red}{\underset{11の倍数}{\underline{\color{black}{1001}}}}b+\color{red}{\underset{11の倍数}{\underline{\color{black}{99}}}}c+\color{red}{\underset{11の倍数}{\underline{\color{black}{11}}}}d+(\color{red}{\underset{①}{\underline{\color{black}{a-b+c-d+e}}}}) \tag{2} \\
\end{eqnarray}

(1)から(2)に変形した目的としては、”11の倍数の項”と”それ以外の項”で分けるためです。

(2)より、項①以外の項は11の倍数となるため、あとは項①が11の倍数であれば、元の5ケタの数字は11の倍数であることがわかります。

そして、 \(a, b, c, d, e\) は”1の位の数字から1ケタずつ区切った数字”であるため、11の倍数判定法が成立するわけです。

おろち
おろち

<補足>

こちらも7の倍数判定法の時に補足したように、全ケタに対する証明にはなっていないです。

全ケタに対する証明をしたい場合は、

  1. 偶数ケタで、全ての桁の数字が 9 である場合、その数は11の倍数となること
  2. 偶数ケタで、一の位と最高位の数字が 1 であり、かつ他の位の数字が 0 である場合、その数は11の倍数となること

の2点を、別途証明する必要があります。

筆者に余力があればまた別記事にてこちらの証明をしてみたいと思ってます。


■まとめ

今回は、3~11の倍数判定法と、その判定法が成り立つ理由について解説しました。

倍数判定法は単なる暗記項目と思われがちですが、その背景には「10進法の性質」が深く関係しています。

仕組みを理解しておくことで、判定法を忘れてしまっても自分で導き直せるようになりますし、整数問題への理解もより深まります。

特に7の倍数判定法や11の倍数判定法は数学的にも興味深い内容です。

ぜひ実際にいくつかの数で試しながら、倍数判定法の面白さを体感してみてください。

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