数と式・方程式

二次方程式の解の公式を証明!
平方完成を使った導出方法をわかりやすく解説

二次方程式を解くときに使う「解の公式」。

\[ x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

という公式を覚えている方も多いのではないでしょうか。

解の公式を使えば、因数分解が難しい二次方程式でも、係数を代入することで解を求められます。

しかし、

「解の公式はどうやって導かれるのか?」

「なぜ平方根や \(\pm\) が登場するのか?」

と疑問に思ったことはありませんか?

実は、解の公式は平方完成という計算方法を使うことで導くことができます。

この記事では、二次方程式の解の公式を確認した後、平方完成を利用して公式を一から証明します。

途中式を省略せず、なぜそのように変形するのかも丁寧に説明するので、公式の仕組みを理解したい方はぜひ最後まで読んでみてください。

1. 二次方程式の解の公式とは?

二次方程式とは、

\[ ax^2+bx+c=0 \quad (a\neq0) \]

という形で表される方程式です。

ここで、\(a\)、\(b\)、\(c\) は定数であり、\(a\neq0\) とします。

この二次方程式の解は、次の公式で求められます。

\[ \boxed{x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}} \]

これが二次方程式の解の公式です。

ただし、実数の範囲で考える場合、\(b^2-4ac\geq0\) である必要があります。

この公式を使えば、二次方程式の係数 \(a\)、\(b\)、\(c\) を代入するだけで解を求めることができます。

例えば、

\[ 2x^2+3x-2=0 \]

という二次方程式を考えてみましょう。

このとき、

\[ a=2,\quad b=3,\quad c=-2 \]

なので、解の公式に代入すると、

\[ \begin{aligned} x&=\frac{-3\pm\sqrt{3^2-4\cdot2\cdot(-2)}}{2\cdot2}\\ &=\frac{-3\pm\sqrt{25}}{4}\\ &=\frac{-3\pm5}{4} \end{aligned} \]

したがって、

\[ \boxed{x= \frac12,\ -2} \]

となります。

このように、解の公式を使えば二次方程式の解を求めることができます。

それでは、なぜこのような公式が成り立つのでしょうか?

次の章で、平方完成を使って証明していきます。


2. 二次方程式の解の公式の証明

解の公式は、二次方程式

\[ ax^2+bx+c=0 \quad (a\neq0) \]

を平方完成することで導くことができます。

ここでは、各ステップを順番に説明します。

2.1 両辺を \(a\) で割る

まず、

\[ ax^2+bx+c=0 \]

の両辺を \(a\) で割ります。

\(a\neq0\) なので、両辺を \(a\) で割ることができます。

すると、

\[ x^2+\frac ba x+\frac ca=0 \]

となります。

次に、定数項 \(\frac ca\) を右辺に移項すると、

\[ x^2+\frac ba x=-\frac ca \]

が得られます。


2.2 左辺を平方完成する

ここから平方完成を行います。

平方完成とは、二次式を

\[ a(x+p)^2+q \quad (a\neq0) \]

のように、1つの式の2乗を使った形に変形する計算方法です。

今回は、\(x^2\) の係数が1になっているため、

\[ (x+p)^2+q \]

という形に変形していきます。

ここでは、

\[ x^2+\frac ba x \]

を平方完成します。

ここで、次の展開公式を思い出しましょう。

\[ (x+p)^2=x^2+2px+p^2 \]

この公式から、\(x^2+kx\) を平方完成するには、\(x\) の係数 \(k\) の半分を2乗した値を加えればよいことが分かります。

今回の \(x\) の係数は \(\frac ba\) なので、その半分は、

\[ \frac{b}{2a} \]

です。

したがって、両辺に

\[ \left(\frac{b}{2a}\right)^2 \]

を加えます。

\[ x^2+\frac ba x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2 =-\frac ca+\left(\frac{b}{2a}\right)^2 \]

左辺をまとめると、

\[ \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=-\frac ca+\frac{b^2}{4a^2} \]

となります。

平方完成について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

平方完成のやり方をわかりやすく解説!
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2.3 右辺を通分して整理する

次に、右辺を整理します。

\[ \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=-\frac ca+\frac{b^2}{4a^2} \]

右辺の分母を \(4a^2\) にそろえると、

\[ \begin{aligned} \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 &=-\frac{4ac}{4a^2}+\frac{b^2}{4a^2}\\ &=\frac{b^2-4ac}{4a^2} \end{aligned} \]

となります。


2.4 両辺の平方根を取る

ここから、\(x\) を求めていきます。

\[ \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a^2} \]

ここでは、\(b^2-4ac\geq0\) として実数解を考えます。

両辺の平方根を取ると、

\[ x+\frac{b}{2a}=\pm\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}} \]

となります。

ここで、\(4a^2=(2a)^2\) であるため、

\[ \sqrt{4a^2}=2|a| \]

となります。

したがって、

\[ x+\frac{b}{2a}=\frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2|a|} \]

となります。

ここで、\(a>0\) の場合と \(a<0\) の場合に分けて考えてみましょう。

① \(a>0\) の場合

\(a>0\) のとき、\(|a|=a\) なので、

\[ x+\frac{b}{2a}=\frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

となります。

② \(a<0\) の場合

\(a<0\) のとき、\(|a|=-a\) なので、

\[ x+\frac{b}{2a}=\frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{-2a} \]

となります。

ここで、分子と分母に \(-1\) を掛けると、

\[ x+\frac{b}{2a}=\frac{\mp\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

となります。

\(\mp\) は、\(\pm\) と同じく正と負の両方の場合を表しているため、解の組み合わせは変わりません。

したがって、

\[ x+\frac{b}{2a}=\frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

と表すことができます。

以上より、\(a>0\) と \(a<0\) のどちらの場合でも、同じ式が成り立つことがわかりました。


2.5 \(x\) について解く

最後に、左辺の \(\frac{b}{2a}\) を右辺に移項します。

\[ x=-\frac{b}{2a}+\frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

分母が同じなので、分子をまとめると、

\[ \boxed{x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}} \]

となります。

これで、二次方程式の解の公式を証明できました。


3. 解の公式に関するよくある疑問

3.1 なぜ \(\pm\) が登場するのか?

解の公式には、

\[ \pm\sqrt{b^2-4ac} \]

という部分があります。

なぜ \(\pm\) が必要なのでしょうか?

例えば、

\[ x^2=9 \]

という方程式を考えてみましょう。

この方程式の解は、

\[ x=3,\quad x=-3 \]

の2つです。

なぜなら、

\[ 3^2=9,\quad (-3)^2=9 \]

だからです。

このように、2乗した結果が同じになる正と負の数が存在するため、平方根を取る際には \(\pm\) を付ける必要があります。

ただし、平方根が0の場合は、正と負の区別がなくなるため、解は1つになります。

例えば、

\[ b^2-4ac=0 \]

の場合、解の公式は、

\[ x=\frac{-b}{2a} \]

となり、解は1つだけになります。

この場合、同じ解が2つ重なっていると考えられるため、重解と呼ばれます。


3.2 なぜ \(b^2-4ac\) が負の場合は実数解がないのか?

解の公式をもう一度見てみましょう。

\[ x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

この公式には、

\[ \sqrt{b^2-4ac} \]

という平方根が含まれています。

実数の範囲では、負の数の平方根を求めることはできません。

そのため、

\[ b^2-4ac<0 \]

の場合、二次方程式は実数解を持ちません。

なお、\(b^2-4ac\) は判別式と呼ばれ、二次方程式の実数解の個数を調べる際に利用されます。


3.3 解の公式は暗記した方がよいのか?

解の公式は、二次方程式を解くうえで非常に重要な公式なので、覚えておくことをおすすめします。

ただし、公式を丸暗記するだけでなく、今回紹介した平方完成による導出方法を理解しておくと、公式の意味をより深く理解できます。

また、公式を忘れてしまった場合でも、平方完成の方法を覚えていれば、自分で解の公式を導くことができます。


まとめ

この記事では、二次方程式の解の公式を平方完成によって証明しました。

二次方程式

\[ ax^2+bx+c=0 \quad (a\neq0) \]

の解は、

\[ \boxed{x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}} \]

で求めることができます。

証明のポイントは、以下の3つです。

  1. \(x^2\) の係数を1にするために、両辺を \(a\) で割る。
  2. 平方完成によって、左辺を1つの式の2乗にまとめる。
  3. 両辺の平方根を取り、\(x\) について解く。

解の公式は一見複雑に見えますが、平方完成という基本的な計算を利用して導くことができます。

公式の仕組みを理解することで、二次方程式に対する理解をさらに深めていきましょう。

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