三角比の問題では、sin、cos、tanの値を正確に求める必要があることがあります。
30°、45°、60°などの基本的な角度であれば、
\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin 30^\circ = \frac{1}{2}, \ \cos 45^\circ = \frac{\sqrt{2}}{2}
\end{eqnarray}
のように値をすぐに求めることができます。
一方で、15° や 18°、27°、36°、39°、42° などの角度になると、値を求めるために三角比の加法定理などを利用する必要があります。
この記事では、これまでに求めてきた三角比の厳密値を一覧にまとめ、それぞれの値の求め方も紹介します。
「sin15° の値を知りたい」「cos36° はどうやって求めるの?」といった疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
■三角比の厳密値一覧(sin, cos)
以下に、1°~45°までの三角関数の値を表にまとめます。
表の縮尺の都合上、\(\sin\theta\)、\(\cos\theta\) の値だけ載せていますが、\(\tan\theta\) の値も知りたい方は左列のリンクに飛んで確認してください。
また、各厳密値の導出過程についても、同様に各角度のリンク先を参照ください。
| \(\theta\) | \(\sin\theta\) | \(\cos\theta\) |
| 3° | \(\frac{\sqrt{30}+\sqrt{10}-\sqrt{6}-\sqrt{2}-2\sqrt{15+3\sqrt{5}}+2\sqrt{5+\sqrt{5}}}{16}\) | \(\frac{\sqrt{30}-\sqrt{10}-\sqrt{6}+\sqrt{2}+2\sqrt{15+3\sqrt{5}}+2\sqrt{5+\sqrt{5}}}{16}\) |
| 6° | \(\frac{\sqrt{9-\sqrt{5}-\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4}\) | \(\frac{\sqrt{7+\sqrt{5}+\sqrt{30+6\sqrt{5}}}}{4}\) |
| 9° | \(\sqrt{\frac{4-\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{8}}\) | \(\sqrt{\frac{4+\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{8}}\) |
| 10° | \(\frac{1}{2} \omega^2 \sqrt[3]{-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i}+\frac{1}{2} \omega \sqrt[3]{-\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}i}\) | ※未導出 |
| 12° | \(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}-\sqrt{15}+\sqrt{3}}{8}\) | \(\frac{\sqrt{30+6\sqrt{5}}+\sqrt{5}-1}{8}\) |
| 15° | \(\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}\) | \(\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}\) |
| 18° | \(\frac{\sqrt{5}-1}{4}\) | \(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}\) |
| 21° | \(\frac{(\sqrt{6}+\sqrt{2})\sqrt{10-2\sqrt{5}}-(\sqrt{6}-\sqrt{2})(1+\sqrt{5})}{16}\) | \(\frac{(\sqrt{6}-\sqrt{2})\sqrt{10-2\sqrt{5}}+(\sqrt{6}+\sqrt{2})(1+\sqrt{5})}{16}\) |
| 24° | \(\frac{\sqrt{3}+\sqrt{15}-\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{8}\) | \(\frac{1+\sqrt{5}+\sqrt{30-6\sqrt{5}}}{8}\) |
| 27° | \(\frac{2\sqrt{5+\sqrt{5}}-\sqrt{10}+\sqrt{2}}{8}\) | \(\frac{2\sqrt{5+\sqrt{5}}+\sqrt{10}-\sqrt{2}}{8}\) |
| 30° | \(\frac{1}{2}\) | \(\frac{\sqrt{3}}{2}\) |
| 33° | \(\frac{\sqrt{30}+\sqrt{10}-\sqrt{6}-\sqrt{2}+2\sqrt{15+3\sqrt{5}}-2\sqrt{5+\sqrt{5}}}{16}\) | \(\frac{-\sqrt{30}+\sqrt{10}+\sqrt{6}-\sqrt{2}+2\sqrt{15+3\sqrt{5}}+2\sqrt{5+\sqrt{5}}}{16}\) |
| 36° | \(\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}\) | \(\frac{\sqrt{5}+1}{4}\) |
| 39° | \(\frac{\sqrt{8+2\sqrt{10+2\sqrt{5}}}+\sqrt{24-6\sqrt{10+2\sqrt{5}}}}{8}\) | \(\frac{\sqrt{24+6\sqrt{10+2\sqrt{5}}}-\sqrt{8-2\sqrt{10+2\sqrt{5}}}}{8}\) |
| 42° | \(\frac{\sqrt{30+6\sqrt{5}}-\sqrt{5}+1}{8}\) | \(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}+\sqrt{15}-\sqrt{3}}{8}\) |
| 45° | \(\frac{\sqrt{2}}{2}\) | \(\frac{\sqrt{2}}{2}\) |
46°より大きい角度の値については、以下公式を参照しつつ確認してみて下さい。
\begin{eqnarray}
\displaystyle \sin (90^\circ-\theta) &=& \cos\theta \\
\displaystyle \cos (90^\circ-\theta) &=& \sin\theta \\ \\
\displaystyle \sin (180^\circ-\theta) &=& \sin\theta \\
\displaystyle \cos (180^\circ-\theta) &=& -\cos\theta
\end{eqnarray}
例えば、\(\sin75^\circ\) の値を確認したい場合は \(\sin75^\circ=\sin(90^\circ-15^\circ)=\cos15^\circ\) より、\(\cos15^\circ\) の値を確認すればよいわけです。
■そもそも「三角比の厳密値」とは何?
ここでは「三角比の厳密値」とは何なのか、定義を明確にしておきましょう。
例えば、学校の参考書や大学の公式HPに載っている三角関数表は、ほぼ全て小数の値として記載されています。
しかしこれらの小数の値は、もちろん厳密な値ではなく、近似値を載せているに過ぎません。
厳密な値は記事冒頭で載せている表のように、根号や2重根号、3重根号を用いてまず求めることができ、その情報を元に近似値を小数で表現し、一般的な三角関数表に落とし込んでいるわけです。
前置きが長くなりましたが、本記事での「三角比の厳密値」の定義は、近似値ではなく、根号を含む形で三角比を表現した時の値のことを指しています。
■基本的な有名角について(0°、30°、45°、60°、90°)
ここからは、有名角や準有名角、そしてそれ以外の角度についてどのように導出したかを整理してまとめていきます。
まずは有名角から。
こちらの有名角の三角比の値については、正直大学受験に挑む方であれば必須で知っておく必要がある知識です。
このあたりの知識について自信がない方は、以下記事を参照いただければ三角関数の基礎を抑えることが出来ると思いますので、是非お立ち寄りください!
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基本から定義・性質・使い方まで解説2026/3/17
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有名角の三角比の値については、既知の情報として各角度の厳密値を導いています。ご了承ください。
■工夫することで1から求められる三角比(18°、36°)
これらの角度については、加法定理の公式を用いることなく、工夫して1から求めることができる面白い角度です。
特に 36° の三角比を求める方法については黄金比を導出する方法に似ていることも非常に興味深いです。
18° と 36° の三角比を求める方法、および黄金比の導出方法については以下記事にまとめているので、こちらも興味ある方は是非お立ち寄りください!
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36°-72°-72° の二等辺三角形から厳密解を導出36°の三角比の値はどのように求められるのでしょうか。 \begin{eqnarray}\displaystyle \sin36^\circ、\cos36^\circ、\tan36^\circ\end ...
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■加法定理から導出した三角比(3°、12°、15°、21°、27°、33°、39°、42°)
これらの角度については、その時に既に導出済みであった三角比の厳密値を利用して、加法定理を用いて導出を行いました。
導出方針については、以下の通りです。
- 15°(45°-30° の加法定理から導出)
- 3° (18°-15° の加法定理から導出)
- 12°(30°-18° の加法定理から導出)
- 21°(45°-24° の加法定理から導出) ※24° の三角比は、12° の三角比から倍角公式を利用して導出
- 27°(45°-18° の加法定理から導出)
- 33°(18°+15° の加法定理から導出)
- 39°(30°+9° の加法定理から導出) ※9° の三角比は、18° の三角比から半角公式を利用して導出
- 42°(60°-18° の加法定理から導出)
基本的には有名角、もしくは準有名角が絡む形の加法定理を採用して導出してきたつもりです。
■倍角公式・半角公式から導出した三角比(6°、9°、24°、36°)
これらの角度については、その時に既に導出済みであった三角比の厳密値を利用して、倍角公式もしくは半角公式を用いて導出を行いました。
導出方針については、以下の通りです。
- 6°(12° の半角公式から導出)
- 9° (18° の半角公式から導出)
- 24°(12° の倍角公式から導出)
- 36°(18° の倍角公式から導出)
36° の三角比については、「18°の倍角公式で求める方法」と「36°-72°-72° の二等辺三角形から求める方法」の2通りで求めています。
もちろん最終的な結果は変わりませんので、お好きな方を参照いただければと存じます。
■(おまけ)厳密解に虚数が出てくる三角比(10°)
最後にこちらの議題を取り上げます。
既にお気づきの方もいると思いますが、これまで導出してきた三角比の角度は全て3の倍数の角度です。
では、それ以外の角度。例えば 10° の場合などはどうなるのか、興味本位でカルダノの公式を用いて調査したことがあります。
結果としては、表にも載せている通りです。困ったことに、虚数単位 \(i\) が出てきます。
しかし、全体的な結果としては虚数ではなく実数となります。
このあたりの詳細については、導出過程含め以下記事で可能な限り丁寧にまとめているので、興味がある方は是非お立ち寄りください。
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sin10°の値を厳密に求める|
カルダノの公式を用いた導出方法2026/6/5 三角関数
これまで sin18° とか sin9° とかの厳密解を他記事で頑張って導出してきました。 この調子で sin10° の厳密解も、、、と思い、調べてみましたが、どうも厳密解の中に虚数が出てきてしまうよ ...
■まとめ
今回は、さまざまな角度における三角比の厳密値を一覧にまとめました。
30°、45°、60° などの基本的な特殊角だけでなく、15°、18°、27°、36°、39°、42°、75° などの角度についても、加法定理などを利用することで厳密値を求めることができます。
この一覧から気になる角度を見つけたら、各記事の詳しい導出もぜひ確認してみてください。